2016年08月10日17時27分掲載
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アフリカ
【西サハラ最新情報】 みんな、お休みしたいんです 平田伊都子
ニューヨーク時間で2016年8月5日の国連プレス・コンフェランス(通称プレコン)は、ガラガラでした。 というより、100人以上が収容できるプレコン室には数人がパラパラ、、「国連事務総長はリオ・オリンピックに出かけて聖火運びの一端を担った。今夜の開会式にも参加する」と、ファルハン・ハック国連次席報道官が報告しました。 すると、「事務総長が出かけたら、国連本部は休業になるのか?何を聞いても知らぬ存ぜぬじゃんか?」と、ベテランの記者からきつい苦情がでました。 「いや〜、同僚たちも夏休み中なんでね、、問い合わせても、なかなか回答が返ってこないんだよ」と、弁解しました。 当たり前のやりとり、ですかね? 誰もかれも休みたい、、が、国連職員が休暇中であろうとなかろうと、大事件は休むことなく世界を揺すぶっているのです。 腹をすかせた難民の人たちは、藁と知りつつ国連にすがりついているのです。
(1)国連プレス・デイリー・ブリーフィング:
2016年8月5日、国連プレス・コンフェランス室で行われたプレス・リリースの中で、「MINURSO(国連西サハラ住民投票)要員の完全職場復帰に関して、モロッコと国連事務総長の間で書簡が交わされたとのことだが、その内容は?」と、記者が質問した。それに対してファルハン・ハック国連次席報道官はすがめで記者を見下ろし、「書簡の内容は共有していない」と答えた。「総長がいなかったら、みんな休むのか?」と記者が詰め寄ると、「夏休み中だ。交信は難しいものがある。情報を得しだい、報告する」と、逃げた。最後にハック次席報道官は「国連事務総長はリオで、難民選手団を激励した。9月19日には国連で難民問題を大きく取り上げる予定だ。、、では、よい週末を」と、ファイルを閉じて部屋を後にした。
(2)AUアフリカ連合議会、AUアフリカ連合安保理:
同年同日の8月5日、アフリカ大陸ではEU議会に相当するPAP (Pan African Parliament全アフリカ議会)と、国連安保理に相当するCISSA (Committee of Intelligence and Security Services of Africaアフリカの情報と安全保障理事会)が開かれた。南アフリカのヨハネスブルグで開催されたPAPでは、国連西サハラ住民投票の早期実施を促す決議がなされ、国連に対して両当事者交渉の再開を要請した。ルワンダのキガリで開催されたCISSAでは、アフリカ大陸を脅かすテロや治安が議論になり、アフリカ大陸最後の植民地・西サハラでの人権侵害が討論され、モロッコ占領地・西サハラの解放が必須だと決議された。AUアフリカ連合正式加盟国であるRASD西サハラ難民政府は、勿論、参加して、停滞している両当事者交渉打開に向けてさらなるAUアフリカ連合の協力を求めた。AUアフリカ連合に潜り込もうと工作するモロッコは、アフリカ最後の植民地・西サハラの解放を目指すAUを引っ掻き回し、分裂させようと企んでいる。モロッコのAU復帰要請はAU総会でもAU議会でも、AU安保理でも、取り上げていない。自分自身の復帰より、モロッコは国連要員の完全復帰を先にやってください。
(3)西サハラ難民夏期大学:
2016年の8月9日から8月22日にかけて、第7回夏季大学が開校される。約400人の西サハラ人がアルジェリアのブメルデスに集まって、西サハラ最新情報や世界情勢や伝統文化を学び、西サハラ独立に向けての運動方針を討論する。参加者は、難民兵士や一般難民や、モロッコ占領地と南モロッコの平和活動家や留学中の学生たち。講師は、西サハラ難民政府新大統領ブラヒム・ガリを始め西サハラ難民外交官たちや、アルジェリアの政治家たちやアルジェリアのNGO人権擁護活動家たち。
西サハラ難民政府は小学校から中学校まで難民キャンプで就学させる。卒業後の試験に受かれば、高等教育や大学教育を外国で勉強できる。外国とはRASD西サハラ難民政府を承認している国で、アルジェリア、キューバ、昔のリビアなど、、西サハラ難民学生を無料で引き受けてくれる。
難民小中学生の夏休みは、6月から9月まであります。 随分長いとお思いでしょうが、エアコンも扇風機もない50度を軽く超える砂漠の夏では、勉強どころじゃありません。
8月4日、イタリアのカンパニア市が数百人の西サハラ難民の子供たちを迎えました。
この<平和な夏休み>と銘打った夏休みホームステイ・イベントは、「砂漠の熱さに痛めつけられている難民の子供たちに、涼風を、、」と、西サハラと友好関係にあるスペインの地方団体が始めたものです。 今年も、スペインの数都市が子供たちを一か月から二か月間、受け入れています。 お返しに、西サハラ難民キャンプはお世話になったホームステイ先の子供たちを、砂漠のサバイバル・ライフに招待します。 アメリカでも「平和な夏休み」が始まったとか?
スペインもイタリアもアメリカも、まだRASD西サハラ難民政府を国家承認していません。 でも、子供と子供の交流、人と人との交流は、川の流れです。止めれません。
日本でも、「平和な夏休み」やりませんか?
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2016年8月10日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
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