2016年08月13日18時13分掲載
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欧州
カンヌ市長が海水浴場での’ burkini=ブルキニ’ 着用を禁止 8月末まで
南仏カンヌの市長が7月28日に市内の海水浴場や遊泳上での「ブルキニ」(burkini) 着用を禁じる政令を出しました。 ブルキニとはイスラム教徒の女性が着用する全身を覆う衣装のブルカに似た、公衆の場で女性が肌の露出を避ける水着のことです。ベールと違って、全身がすっぽり入るブルカの様式なので、女性が普通の水着を着用している中で、目立ってしまいます。ブルキニにも、デザインは国や地域で様々あり、黒いいかにも厳格な信者を想像させるブルキニもあれば、色もカラフルなものもあるようです。
http://www.nicematin.com/faits-de-societe/le-maire-de-cannes-interdit-le-port-du-burkini-sur-les-plages-70612
カンヌ市長が政令のブルキニ着用禁止令で示したのは、地元南仏のニース・マタン紙によれば以下のようです。
’Le maire de Cannes a pris un arrete interdisant le port "d'une tenue de plage manifestant de maniere ostentatoire une appartenance religieuse alors que la France et les lieux de culte religieux sont actuellement la cible d'actes terroristes".’
「いかにもイスラム教信者であることを誇示するような仕方で着用した場合」が禁止の対象になるとされます。全部を禁止と言うのでなく、「誇示するような仕方」という条件が付与されています。
いずれにしても、カンヌ市長がブルキニ着用を禁止した理由は現在、フランスが非常事態宣言発令のもと、宗教的な確執がテロの対象になりかねないからだとされます。そして、この政令は約1か月間の時限的なものである、と一応されています。
イスラム教徒が海岸で遊泳することで地元自治体とトラブルになっている例がいくつか報じられています。このブルキニ着用問題はそのわかりやすい一例です。イスラム教徒からすれば、自分たちが何を着ようと自分たちの自由ではないか、という主張があります。一方で、黒衣のブルキニの女性たちが海岸にいると、通常の遊泳とは違った緊張を強いられるということで、何とかならないか、という声もあります。
今、フランスではテロ事件とそれに刺激された逆にイスラム教徒がいじめにあう事件とが起きています。南仏ニースで先月14日の革命記念日の夜に起きたチュニジア移民の男性による暴走トラックによる殺傷事件は未だ生々しい記憶を伴っています。事件の後にイスラム教徒の人々に対するいじめが起きたことを地元メディアは伝えていました。こうした中、地元のフランス人たちの中には危険を避けるために外出を控える傾向も出ており、カフェで人と会う機会が減ったり、、花火大会に家族で出かけることも躊躇したり、といったことが起きているそうです。
こうした中でカンヌの市長は非常事態宣言の延長をもとにした対応を取ったとして説明しているようです。通常であれば賛否両論を背景に、より根源的な説明とか、憲法裁判などが行われたりするのでしょうが、「非常事態宣言」は市当局にとっては政策を容易に発動できるものになっているようです。
■ニースの暴走トラック事件 テロなのか、絶望ゆえの単独犯行か 村上良太
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201607160051216
■ニースの殺傷事件の傷あと ムスリムの母親も犠牲となった
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201607240233170
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