2016年10月20日07時50分掲載
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核・原子力
フランスの原子炉相次いで停止、電力不足の懸念も Ryoka (在仏ブロガー)
2016年10月19日、「フランス全国の原発に対する停止指示が相次いでいる」、という趣旨の記事が、フランスの経済新聞・Les Echosの一面で大きく報道された。
停止指示はフランスの原子力規制機関である原子力安全局(ASN)が出したもので、新たに原子炉5基を数週間後を目途に停止し、検査するよう指示している。
フランスではすでに全国58基中、21基が検査の前倒しなどを理由に停止しており、今回の5基を合わせると停止中の原子炉数は過去最高となる。
主な停止理由は蒸気発生器が安全基準を満たしていないことで、今年の6月末の時点で原子炉18基に設置された46の蒸気発生器の鋼材に基準値を大幅に上回る炭素が含まれていることが発覚していた。(※炭素含有量が増えると強度が弱くなる)
問題の蒸気発生器を製造したのは、日本の鋳鋼品メーカー・日本鋳鍛鋼(JCFC)で、設置当時は基準を満たしていたものの、2006年に安全基準が厳しくなってから合格し辛くなっていたという。
今回の停止指示により、フランスで最も危険視されているアルザス地方のFessenheim原発は、すべての原子炉を停止することとなった。
全58基の原子炉で国内の4分の3の電力を供給してきたフランスで、その半数近くが停止した状態で真冬を迎えることを懸念する声もある。
電力不足を恐れて再稼働を焦るのではなく、それとは比較にならない規模の事故を防ぐために最善を尽くしてもらいたいものだ。
寄稿 Ryoka (在仏ブロガー)
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