2016年10月27日22時31分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎発】政府と一体化し原発推進に走る「連合」は解散せよ 原子力利権集団は消え去るべき 山崎久隆
多くの加盟労働組合からの「上納金」と幹部の派遣で成り立つナショナルセンター「連合」。基幹労働組合は自治労や日教組などの公務員労働組合と私鉄総連やJR総連のような鉄道労組そして経団連のトップを出しているような大手のIT、重電メーカー、そして電力総連。このような巨大労組が多く加盟する上部組織が「連合」だ。
以前から、電力関連労働組合の連合体である電力総連が原発推進派であることは周知の事実だった。福島第一原発事故直後の電力総連の行動は驚くべきものだった。
事故の影響でまだ15万人もの人々が避難生活を余儀なくされている時に、民主党議員に対し、脱原発政策に反対する組織的陳情活動を行った。ある議員は「脱原発に方向転換されては、従業員の生活が困ると陳情を受けた」と朝日新聞に語った。民主党が当時も今も原発政策に灰色の方針をとり続けているのは電力総連が金も人も握っているからだ。
原発事故で大量に被曝した組合員の命や生活、被災者の命や生活よりも何が大事だというのだろう。
◆新潟県知事選挙でも
「連合」が新潟県知事選挙で自民、公明が推薦する森民夫候補を支持したとの報道に接し、もはやこの団体の存在意義は消滅し、今後は国や原子力ムラと一体となって脱原発を目指す自治体や運動に対して敵対行動を取ることが明確になったと判断するほかないと考える。
労働組合の存在を否定してはならないが、ナショナルセンターとして数多くの労働組合の上部団体として君臨し、貴重な組合費を使ってやっていることが、労働者を搾取し労働安全をないがしろにし、さらに加えて住民の命や生産活動まで奪いかねない現政権の支持と原発推進を行う、などというのでは、そもそも不当な存在でしかないことは明らかである。
「連合」も官公労組合(自治労や高教組)が力を持っていた時代は、まだそこまで酷くはなかった。しかしいまや「身も心も」堕落してしまったと言わざるを得ない。心ある組合は脱退するべきである。
◆労働組合の体をなさない
賃金要求闘争も長年にわたり経営側に敗北を続けてきたあげくに、安倍首相の「鶴の一声」で賃上げがいわば「実現」してしまい、官製春闘が「連合」の立場を喪失させた。一体今まで何をしてきたのか。組合員から素朴に非難をされることになった。言い換えれば「労働組合です」などと、恥ずかしくて人前に出られない体たらくということだ。
「同一労働同一賃金」は、組合のメインのスローガンだったが政府の政策目標にされてしまった。いうまでもなく言葉は同じでも目指すべき地平、内容は異なるのだが、ここでも労働組合の存在意義が疑われる事態になったことは事実だ。
もはや労組組織率(2015年で17.4%)が喫煙率(2013年で21.6%)よりもはるかに低い現状では、高い組合費を払うイミを理解できない若年労働者が大勢現れても仕方が無い。
そんな地盤沈下の中での、新潟県知事選挙における与党候補応援さらには原発再稼動推進の姿勢を見せつけられては、「連合」の存在そのものが市民の安全にとって有害であると言うほかない。
米山隆一氏の支援をしなかった連合と、その連合から票や資金の支援を受けている民進党が、あろうことか自主投票にしてしまった後に、それを押して独自に米山候補の応援に立った蓮舫代表の勇気は高く評価したい。
このあと連合から、あるいは利権を共有する民進党議員から横やりが入るだろうが、負けずに脱原発の政策を高く打ち出すことを期待したい。そうでなければ民進党を責任のある野党、そして政権運営の可能な政党へと進化させることはできない。
◆連合ではなく他のナショナルセンターを
「連合」の他にもナショナルセンターとしては「全労連」と「全労協」という団体が存在する。大きさはかなり違うが、連合よりもまともな労働運動を展開する集まりだ。未組織労働者の組織化、派遣労働者等の権利擁護は、労働組合の重要課題である。「連合は要らない」と主張しても「労組無用論」を唱えているわけではないことを付け加える。
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