2016年10月29日22時28分掲載
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国際
ND米紙ウィークリーニュース第103号(October 26, 2016)
●目次●
【プーチン大統領パリ訪問中止 シリアを巡る対立の最中】WSJ 10/11
Russia’s Vladimir Putin Cancels Paris Trip Amid Differences Over Syria
【台湾総統 中国に対話を呼びかけ】NYT 10/10
Taiwan’s President Calls for New Talks With Beijing
【フィリピンの「アメリカ離れ」 ドゥテルテ大統領の暴言の背景】NYT 10/09
Behind Duterte’s Bluster, a Philippines Shift Away From the U.S.
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【台湾総統 中国に対話を呼びかけ】NYT 10/10
Taiwan’s President Calls for New Talks With Beijing
10月10日付のNew York times紙は、台湾の蔡英文総統が10月10日の国慶日(建国記念日)に演説し、中国に対し、台湾が独立した民主主義国であると認め、台湾との対話に応じるよう呼びかけたことについて報じた。
同紙によると、台湾では、中国が経済力をつけたことで統一が進むのではないかと不安視する声が特に若年層に多いという。
他方、中国は、香港のように台湾の自治を認めつつ、将来的に台湾と統一することを目指していると同紙は指摘。中国政府で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の安峰山(アン・フォンシャン)氏は、同事務所のウェブサイトに公表した「両国の歴史的な紐帯は強く、不可逆的であり、ともに歩めば繁栄するが、反すれば破滅するだろう」という見解も紹介した。
また同紙は、米戦略国際問題研究所(CSIS)のボニー・グレイサー氏による、中国が台湾の国際会議への参加を妨害したり、台湾観光を制限したりと蔡総統への圧力を徐々に強めていくだろうという見方も取り上げた。
【フィリピンの「アメリカ離れ」 ドゥテルテ大統領の暴言の背景】NYT 10/09
Behind Duterte’s Bluster, a Philippines Shift Away From the U.S.
10月9日付のNew York Times紙は、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が、フィリピン国内から米軍を撤退させることを断言したことについて報じた。
同紙によると、オバマ大統領に対する罵倒やCIAによる暗殺の画策に対する非難など、ドゥテルテ大統領の過激な発言の裏には、フィリピンの外交政策の現実的・潜在的な歴史的変化があるという。
また同紙は、ドゥテルテ大統領側近の外交補佐官による「ドゥテルテ大統領は、米国の描く軌道からの逸脱を求め、また南シナ海における軍事的プレゼンスをめぐる中国との長年の論争の末に、交渉につく準備が出来ている」という発言を紹介し、フィリピンが米国への依存関係を見直し、中国寄りの姿勢を強めていると報じた。
同紙は、フィリピンのこの姿勢について、米国が東南アジアで最も信頼する同盟国の急進的な動きであり、米国の外交政策の中枢である、いわゆる「アジア・ピボット」の実行を阻害しかねないとみている。
一方、フィリピンのペルフェクト・ヤサイ外務大臣が「軍事同盟は米国と結んでいるものが唯一であり、中国とはいかなる軍事同盟も結ばない」と発言したことも紹介した。
なお同紙は、南シナ海の領有権に関して、国連仲裁裁判所が今年6月、中国による主張を全面否定する判断を下したことについて、米国の介入無しに、フィリピンが有利な条件での漁業権やインフラ投資、経済的支援などを中国から引き出していく外交上の強力な「カード」となるのではないかとの見方も示している。
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