2016年11月13日15時51分掲載
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国際
【西サハラ最新情報】 トランプ登場でCOPはどこへ行く? 平田伊都子
トランプはアメリカ大統領選挙に勝ちました。 トランプ惨敗を予告したマスコミは、99.4%開票時点で、クリントンの総得票数は60,839,922、トランプは60,265,858票だから、クリントンの方が人気があると言い張りました。 しかし、考えてみると、ヒラリー・クリントン総得票数=ヒラリー個人票+オバマ・ミシェル票+黒人歌手票+芸能人票+サンダース票そして、ビル票、、つまり、魅力のないヒラリー・クリントン票は、多く見積もってもその半分?
一方、トランプは有名人やマスコミや、共和党の応援なども殆どなく、たった一人で60,265,858票、、アメリカの民衆はトランプのほうがクリントンより好き、ということではないでしょうか?。
アメリカのうたい文句<民主主義>をローマ字表記すると、<Minshushugi>となります。 <u>を一字ほり込むと、<Minshuushugi>、<民衆主義>となります。
(1)トランプ VS UN国際連合:
「大統領に選ばれたら国際的な視点から見て疑いなく危険になる」と、米大統領選挙中の2016年10月12日、ゼイド国連人権高等弁務官は、トランプを不快感もあらわに批判した。一方のトランプは、国連役立たずを主張していて、同じく国連不要論のジョン・ボルトン元米国連大使を政権移行チームの一員に起用している。ブッシュ政権下では超強行派だったボルトンだが、国連西サハラ住民投票の実現に向け、尽力したことがある。
11月9日、トランプまさかの勝利を受けてパン・ギムン国連事務総長は、形だけ「おめでとう」と言ったものの、COP22(気候変動に関する国連議会)を控えて不満を隠すことができず、クリントンを褒め上げて祝辞を終えた。記者の質問は受け付けなかった。トランプ勝利以降、ハーベ・ラドスPKO代表に至っては記者を集めておいて、質問しようとすると、「お前らに話すつもりはない」と、苛々しながらプレスコーナーを去った。彼は、フランス外交官で、パリCOP21とマラケシュCOP22に絡んでいる。国連関係者はどなたも不機嫌で、そのあおりを食らった記者たちや外来者たちは大迷惑、、「国連は誰のためにあるのか?」と記者の一人が声を荒げた。
混乱のまま、パン・ギムン国連事務総長はモロッコに突っ込む。パン・ギムン国連事務総長の最後の晴れ舞台マラケシュCOP22は、、どうなるのかな? 企んで企んで、、あと一歩のところで世界の民衆を騙せたのに、一番ガッカリしたのはパリCOP21〜マラケシュCOP22を仕掛けたフランスのオランド大統領かもしれない。そういえば、元内妻のロワイヤル・エコロジー・持続可能開発・エネルギー大臣がマラケシュCOP22で威張ってたっけ、、フランスはモロッコの元植民地宗主国、今もその関係は続いているのかな??
(2)トランプ VS COP(締約国会議)22:
「地球温暖化対策費は無駄遣いだ。その費用を社会資本に回すことで雇用を回復させる」と、トランプはCOP(締約国会議)からの脱退を明言している。
マラケシュCOP22の主催者は、「トランプが、COPからアメリカを脱退させることはできない。一年前のパリCOP21の規定に従う必要があり、4年間は脱退できないはずだ」と主張するが、これまで国連が定めた他の規定と同様、脱退しなくても、米国が掲げた削減目標を無視し、途上国への資金支援を止めるということもありうる。COPでは2020年までに年1000億ドルの途上国支援を行うことを勝手に決めたそうだ。アメリカが資金拠出を止めれば、アメリカ中心の支援を当てにしていた多くの途上国もCOPからの脱退や無視をし始めるし、パリCOP21が決めた数々の手枷足枷先も役に立たなくなってくる。
諸々の危惧を無視して、国連事務総長は予定通り強行する。11月14日夕刻、国連事務総長はニューヨークを出発。11月15日朝、マラケシュCOP22開会式に参加。11月16日、モロッコ国王ムハンマド6世陛下が主催するアフリカ首脳会議に参加する。翌11月17日、事務総長はパリに飛び、オランド大統領や外務大臣にCOP22の報告をする。
モロッコCOP22からフランスCOP21へ旅する国連事務総長、、ボン・ヴォヤージュ!
(3)モロッコCOP22 から追放された AUアフリカ連合議員とは? ;
11月7日の国連プレス・ブリーフィングで記者の一人が、「スリマ・バルク・AUアフリカ連合議会議員がCOP22の参加と入国をモロッコ当局から拒否されたそうだが?」と、質問した。ステファン国連報道官は、「その人物について私は知らないし、立ち入ったコメントはできない」と、答えた。
11月8日にもその記者が、「モロッコが追放したAUアフリカ連合議会議員の件に関してモロッコ国連大使ヒラールに問いただしたら、彼は、国連が彼女の参加を認めていないからだと返答した。COP22は仕切りはどうなっているのか?」と、聞いた。ステファン国連報道官は、「その件に関して、国連の参加者リストに載っていれば問題ないのだが、、」その記者が、「モロッコ側は、彼女が西サハラ人だから拒否している。明白だ。国連の立場はどうなっているんだ?」と問い詰めると、「調べておく」と、うざったがった。 11月9日、また同じ記者がしつこく、しかし、気を使いつつ、「例のAUアフリカ連合議会議員の件はどうなりましたか?もしよろしければ、COP22の仕切り人はどなたなのか教えてください」と、丁寧に聞いた。ステファン国連報道官は、「COP22は国連の主催だ。UNFCCC(国連気候変動枠組条約)の同僚に聞いてみてあげるよ」と答えた。
さらに、11月10日、同じ記者が、「モロッコから追放されたAUアフリカ議会議員の件はどうなりました?」と、低姿勢で食い下がった。ステファン国連報道官は「UNFCCCの同僚の言によると、その人物の名がCOP22国連名簿に載っていたそうだ。モロッコ側の追放に関しては調べてみる」と答えた。
11月11日、またまた同じ記者が、「私はUNFCCCに直接、AU議員の追放に関して問い合わせた。委員会は彼女のマラケシュCOP22参加はOKだと答えた。が、モロッコ側は拒否し続けている。一体、AUアフリカ連合代表団の一員として彼女は参加できるのか?否か?」と、問い詰めた。「国連の参加名簿に名前が載っているのだから、、希望的観測をすれば、OKだよ。」とステファン国連報道官に代わったカーン国連副報道官が答えた。
モロッコからCOP22参加を拒否されたスリマ・パルクとは、AUアフリカ連合議会議員で議会副議長でもある。彼女は西サハラ難民キャンプに住み、西サハラ難民政府議会の議員を務めている。
11月10日のBBC英国TVが、「モロッコはAUアフリカ連合への復帰は、占領地からの撤退をしないかぎり許されないと、西サハラが主張している。モロッコ国王モハンマド6世はAUアフリカ連合への復帰を目指して、7月からアフリカ諸国の行幸を続けている。モロッコは、AUアフリカ連合が西サハラを正式加盟国に承認した1984年に脱退して以来、その復帰を口にしてこなかった。ここにきて急に復帰を要求しているのはなぜか?」と、西サハラ情勢を分析しました。
モロッコはマラケシュCOP22の舞台で、<モロッコ国王AU連合にご帰還>を、国王の主役で演出しました。 トランプというジョーカーが登場するなんて、、予想もしなかったでしょうね、、
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2016年11月13日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
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