2016年11月18日08時54分掲載
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人権/反差別/司法
安倍政権下で続く死刑執行 憂慮する人権団体アムネスティ
安倍政権下で死刑執行が続いている。11月11日、福岡拘置所の田尻賢一さん(45才)に死刑が執行された。2004年と2011年に犯した殺人で2012年に死刑が確定していた。死刑執行は、今年に入って3人目であり、第二次安倍政権下では17人目となった。国際人権団体アムネスティは「日本は世界の潮流に逆行している」と警告している。(アムネスティ国際ニュース)
死刑は、残虐で非人道的な行為であり、死刑では、正義を果たすことはできない。世界では大多数の国が死刑を法的にあるいは事実上廃止している中、日本は、この世界の潮流に逆行している。
今年10月には、日本弁護士連合会が死刑廃止を求める宣言を採択した。それからわずか1カ月での執行となった。弁護士連合会は、死刑が抱える数ある問題の中でも、えん罪の可能性および犯罪の抑止効果を示す根拠の欠如を、特に指摘している。
金田勝年法務大臣は、死刑執行命令書に署名するのではなく、国連や弁護士会などの多数の死刑反対の声に耳を傾け、死刑廃止に向けて取り組むべきである。
背景
日本では死刑の執行は、秘密裏に行われる。本人が執行を知らされるのは通常、数時間前だが、通告されないこともある。家族や弁護士、一般の人びとは通常、執行後、その事実を知らされる。
秘密裏の執行は、死刑の国際基準に反している。国連の専門家らは、この秘密裏の執行および死刑確定者に対する不十分な法的保護措置をしばしば批判してきた。
不十分な法的保護措置には、弁護人との十分な接触、死刑判決に対する強制的上訴制度を欠くことなどが挙げられる。また、死刑確定者の中には精神障がいや知的障がいのある者もおり、過去には処刑された人もいる。
アムネスティは、犯罪の性質や状況、有罪か無罪か、個人の特質、死刑の執行手段などにかかわりなく、すべての死刑に例外なく反対する。死刑は生きる権利の侵害であり、最も残虐で非人道的かつ人間の尊厳を傷つける刑罰である。
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