2016年11月19日11時06分掲載
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アフリカ
【西サハラ最新情報】 西サハラ抜きで、失望旅行 平田伊都子
2016年も終わりに来て、COP、TPP、ICC、、などなど、三文字の国際団体に虫食いが侵蝕しています。 特にICC(国際刑事裁判所) は、崩れそうです。 南アフリカ、ガンビア、ブルンジとアフリカ三か国がICCから正式に撤退してから、11月16日にロシアが、そして11月17日にはフィリピンが撤退を表明しました。 もっとも、アメリカもイスラエルも撤退最後通牒を出しているんですよね? もともと未完成作品だったのかもしれません。
COPは<Conference of the Parties・条約を批准した国が集まる会議>、TPPは<Trans‐Pacific Partnership・環太平洋パートナーシップ>、ICCは<International Criminal Court・国際刑事裁判所>夫々、英語頭文字をとった略語です。
一方、EUCOCO<西サハラ独立運動支援欧州会議>が11月17,18日に開かれました。
(1) モロッコ占領当局に逮捕された二人の西サハラ青年:
2016年11月14日、モロッコCOP22正式開催の前日、二人の若い西サハラ活動家がモロッコ占領警察に逮捕され拷問を受けた。モロッコ占領地・西サハラに住むアミダン・サイドとブラヒム・ラージャイルの若い二人は、過激な行動を取った訳ではない。二人は、モロッコ占領地・西サハラに拠点を置くASVDH<Sahrawi Association of Victims of Grave Violations of Human Rights Committed by the Moroccan State・モロッコ当局が犯した重大な人権侵害による犠牲者のための西サハラ人組織>に関係していたという理由で、モロッコ占領警察にしょっ引かれた。この組織は人道的平和的な活動を続けている被害者支援NGOだ。
パリに拠点を置くOMCT<l’Organisation mondiale contre la torture>やFIDH<la Fédération internationale des droits de l’homme>と名乗る人道援助NGOの数個が、二人の釈放を国際社会に訴え始めた。
(2) 国連事務総長とモロッコ王の会談:
ファルハーン国連副報道官が、「昨日の午後(11月15日)、事務総長はモハンマド6世と二者会談を行った。そして、事務総長はモロッコが国連に加盟して60周年を迎えるにあたり、祝辞を述べた。さらに、事務総長は安保理の決議に基づく呼びかけに応じ、西サハラ交渉作業を前進させる努力の重要性を、強調した」と、短い報告をした。
(3) 国連プレスルーム 11月16日;
この日は、常連の記者以外からも、西サハラに関する多数の質問があがった。Q&A、Qは<Question・質問>、Aは<Answer答え>の略式でそのやり取りを紹介する。
Q−事務総長はこの旅行(モロッコ)中に西サハラや難民キャンプを訪問するつもりはあるのか?もしないのなら、どうして行かないのか教えて欲しい。
A−ええ〜っと、ご存知のように、彼は今年の初めからこの旅行を計画していた。というわけで、彼はパリCOPの続きとしてマラケシュCOP22を考えていて、そこに焦点を当てた。
Q−つまり、答えはノーなんだね?検討したこともないんだね?
A−そう、旅程の中に考慮されたことなどない。ラバトも西サハラも計画されたことはない。パリ会議を受けたマラケシュ行きで、その後はパリに直行だ。
Q−昨日も質問した西サハラ関連事項だが、例のモロッコが追放したAUアフリカ議会副議長の西サハラ女性はどうなったか?COP22に参加できたのか?あなたが言っていたヌッタッル国連担当者が解決すると言ってたけど?私が直接聞いた返事とあなたのとは全く違う!どういうことだ?
A−国連COP担当者がモロッコ当局と掛け合ったのは事実だ。結果はご存知の通りだ。
「国連事務総長はトランプに会談を申し込んだのか」という記者の質問に、「先週電話で、お互いに連絡を取り合おうというありきたりの会話を交わした。まあ、二人ともニューヨーク市内で数分の距離にいるんだから、必要となれば会うのは簡単だ」と。報道官は軽く答えました。
内閣総理大臣殿、<トランプ氏との非公式な個人的関係の構築>ご苦労様です。 外遊中のお忙しい中、貴重なお時間をお割きになって、大変でしたね、、 但し、<個人的旅行>だとおっしゃるからには、この旅費は自己負担でお願いします。
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2016年11月19日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
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