2016年11月21日06時40分掲載  無料記事
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国際

フランス共和党予備選 サルコジ元大統領が落選 フランソワ・フィヨン元首相とアラン・ジュペ元首相で来週決選投票

  欧州連合の未来がかかったと言って過言ではない、20日に投票が行われたフランス共和党と中道右派政党で合同で行われた大統領選挙予備選。AFPによると、投票したのはおよそ380万人。投票の参加費は1人2ユーロ(約230円)だ。その結果が出た。 
 
  フランスの放送局i-TELEによると、フランソワ・フィヨン元首相が42.8%の票を集めてダントツ首位に、その後をアラン・ジュペ元首相が得票率26%でつけ、24.4%のサルコジ元大統領は落選した(※順位は変わらないが、得票率の数字は後で微妙に変化しているようだ)。来週、フィヨン候補とジュペ候補で決選投票が行われる。 
 
  今回、7人の候補者が予備選の第一回投票に臨んだが、来週の決選投票では残れなかった5人の候補者がそれぞれ二人のどちらかの支持に回り、その結果次第ではジュペ元首相にも勝ち目がないわけではない。3位につけて僅差で落選したサルコジ元大統領の支持勢力がどちらにつくかが勝敗を分けることになりそうだ。 
 
  今回サルコジ元大統領の再選への道が絶たれたことで、2011年にリビアのカダフィ政権を武力介入で転覆させた責任者である二コラ・サルコジ元大統領、英国のデビッド・キャメロン元首相、ヒラリー・クリントン元米国務長官が政治の一線から退き、さらにバラク・オバマ大統領も残すところ2か月で任期が終了することになる。 
  北アフリカからフランスに移住したある有権者は「私の人生で2ユーロでこんなに満足できたことはない」と喜んでいた。サルコジ候補を勝たせないように投票を仲間にも呼びかけたのだという。リビアへの軍事介入はイスラム原理主義勢力の台頭を招き、北アフリカとサハラ周辺地域をめちゃくちゃにしたばかりでなく、中東においてもイスラム国の誕生につながった。しかし、責任のある欧米の政治指導者たちは誰一人としてその罪を問われていない。 
 
 
※上の投票率と投票者数に関しては時間とともに時々刻々と集計数字が変化し、今入手している最新のものは以下。 
 
「日刊紙(Le Parisien)によると、パリ現地時間20日の23時30分に発表された投票者数は、382万8489人とあります。選挙結果も上の数字とは少し違って、Fillon 44,2%、Juppe 28,4%、Sarkozy 20,7%となっています」(パリ在住のブロガー、Ryoka氏のご指摘による) 
 
http://www.itele.fr/politique/video/primaires-2016-171591 
 
■フランス大統領選予備選  フランス大統領選とアメリカ大統領選の違いは決選投票があること  明日は注目の共和党予備選の投票日 
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