2016年11月21日15時58分掲載
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政治
フランス大統領選 風刺短編映画 活劇「スーパー・オランド、ボリウッド風」
インターネットとソーシャルメディアの発達は新たな短編映画文化を築きつつあります。その一端が意外にも、政治風刺で発揮されていて、先日は米大統領選の風刺短編映画を紹介しましたが、今回はフランス大統領選に関する短編を皆様に紹介します。
1分40秒弱の短編映画のタイトルは”Super Hollande Singham a Bollywood”で訳せば「スーパー・オランド、ボリウッド風」とでもいったところでしょう。”Singham”はインド製=ボリウッド映画のアクション映画のタイトルです。フランス社会党の予備選の候補者選びの水面下のどろどろした人間模様を活劇にして描いて見せたものです。
https://www.youtube.com/watch?v=Qw2UZLyfvtE
冒頭オランド大統領が波止場で元妻のセゴレヌ・ロワイヤル環境大臣と深刻な面持ちで立ち話しています。
オランド大統領「俺は今回の予備選では心が穏やかじゃない」
二人を傍から嫉妬交じりに(?)見ているのがモロッコ生まれの女性の教育大臣、ナジャット・ヴァロー=ベルカセムです。彼女はいきなり、二人めがけて瓶を投げつけてびっくりさせます。
続いて「フランソワ、予備選に出馬しないなら、俺が代わりに立候補するぜ」と語るのが右腕だったマニュエル・バルス首相。彼の周りにも予備選出馬を狙う政治家たちが集まっています。
さらに「パパ、ごめんよ、僕も無所属で立候補するんだ」と子供の声で訴えるのがエマニュエル・マクロン元経済大臣で子供の姿になっています。(これは可笑しい)
怒り心頭に発したオランド大統領が武器をつかんで立ち上がり、自分を引ずりおろして大統領選に出馬を狙う党内の輩たちを全員成敗する、というものです。最後に成敗したバルス首相には「お前は俺の首相を続けてろ〜」と怒鳴りつけるのです。
と言っても全部、既存のアクション映画の乱闘シーンに政治家たちの顔だけ張り付けたものです。しかし、動画に合わせて切り抜きの顔写真のアングルを時々変えて違和感なく処理しているのは見事。
社会党では来年1月に予備選の投票を予定しており、現在はオランド大統領が再選を目指すのか、それとも取りやめるのかを巡って様々な憶測が飛び交っています。ある世論調査ではバルス首相の人気が一番高いとされていますが、オランド大統領に忠誠を尽くす立場の首相職でもあり、バルス首相がどう出るかは注目されています。その意味ではこの風刺短編映画は核心をついていると言えます。
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