2016年12月04日00時36分掲載  無料記事
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反戦・平和

 「自衛隊・南スーダンPKO派遣差止訴訟」  池住義憲

 11月30日(水)、「自衛隊・南ス−ダンPKO派遣差止訴訟」が札幌地裁に提訴されました。原告は、陸上自衛官の息子を持つ千歳市の50代女性。「私の大切な息子がいつの間にか危険な海外へ送られそうで、とてもたまらない」、「彼にたいへん迷惑をかけることは、十分承知しています」、「でも、今ここで声を挙げないと、一生後悔することになると気づきました」として、実名とは別の「平和子」(たいら・かずこ)と名乗っての提訴です。(池住義憲メールニュースから) 
 
 弁護団は、札幌弁護士会から10名、愛知弁護士会から5名、仙台・長野・広島の弁護士会から各1名で計18名。南ス−ダンPKO派遣の実態と違憲性を真正面から問う、全国で初めての裁判です。この歴史的訴訟に立ち会うため、私も名古屋から駆け付けました。11月30日午後の提訴直後、札幌地裁前で原告の平和子さんを中心に撮った写真と、その後の記者会見の様子の写真は、下記URLをクリックすれば見ることができます。 
https://www.facebook.com/yoshinori.ikezumi 
 
 訴訟が目標としていることは、三つ。第一は、南ス−ダンの情勢、国連PKOの活動実態、自衛隊の活動の違憲性について明らかにし、勝利判決と自衛隊の一刻も早い撤退を勝ち取ること 。第二は、安保関連法制下で自衛隊員や家族が置かれている深刻な権利侵害を明らかにし、私たち主権者国民自らの問題として考えること。第三は、自衛隊員や家族の方々に本訴訟を知らせ、自衛隊員や家族の方の追加提訴を実現し、取り組みを全国に広げること、です。 
 
■提訴の二日後に・・・ 
 
 提訴から二日後の、12月2日。政府関係者は、来年5月に派遣予定の陸上自衛隊第12次隊の主力部隊として、北部方面隊(総監部・札幌)を想定していることを明らかにしました。第2師団(旭川)、第7師団(千歳)、第5師団(帯広)、第11師団(札幌)のいずれかを主体とする350人規模になると思われます。 
 
 今年5月から派遣されていた第10次隊は、北部方面隊が中心でした。11月から第11次隊として東北方面隊(青森)が交替部隊として、順次、派遣されています。安保関連法に基づく「駆け付け警護」と「宿営地の共同防衛」という二つの新任務は、第11次隊から付与されました。12月12日から、新任務の実施が可能となります。 
 
 第12次隊はこれまで、西部方面隊(熊本)が主力になる、とみられてきました。しかし政府は、西部方面隊が中国の海洋進出を想定した南西地域の防衛力強化に取り組んでいる事情を考慮。そして南スーダンPKOへの派遣は、海外派遣の経験の多い北部方面隊を主力とする方向に傾いたようです。 
 
 なんと”タイムリー”なことか・・・。一刻もはやく、自衛隊の撤退と派遣差止を実現させる必要があります。私は、12月2日、平和子さんに直接お会いし、提訴に立ち会った一人として、名古屋でも本訴訟を支援したいと思う。上記三つの訴訟の目標を実現させるために、名古屋で出来得る取り組みをしたいと思っています。近々、僭越ですが、あらためてみなさんにご相談、呼びかけをさせていただきたい、と考えています。その際は、みなさん、どうぞよろしくお願いします。 


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