2016年12月23日17時19分掲載  無料記事
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検証・メディア

エチオピア政府、ソーシャルメディアやニュースサイトへのアクセスを規制

最新の調査によれば、エチオピア政府は、ソーシャルメディアやニュースサイトへのアクセス制限を組織的かつ違法に行っている。2015年11月に始まり、緊急事態にまで発展した波状的抗議行動のあいだ、治安部隊は抗議行動参加者への攻撃を続けており、今回のアクセス制限は、こうした弾圧を伝える報道を阻止して反対派を抑圧しようとする政府の取り組みの一環とみられる。(アムネスティ国際ニュース) 
 
調査は、アムネスティ・インターナショナルとOpen Observatory of Network Interference (ネット通信妨害を監視する民間ネットワーク。OONI)が2016年の6月から10月のあいだに行ったもので、ワッツアップ(WhatsApp)のほかに少なくとも16のニュースサイトへのアクセスがブロックされたことが分かった。 
 
エチオピア政府にしてみればソーシャルメディアは過激派が偏見や憎悪を煽る手段であり、インターネットへのアクセス制限は全面的に正当化されると考えていることは明らかだ。だが事実はまったく違う。抗議行動の原因となった不満や怒りを伝える際に、こうしたソーシャルメディア等はエチオピアの人びとにとって直接行動以外の大切な発信の場だったのだが、広汎な検閲はその場を閉じてしまった。 
 
調査では、独立系の報道機関や反政府団体、表現の自由やLGBTI(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス)の人びとの権利を支援するサイトなど、無数のウェブサイトへの妨害が行われている決定的な証拠が見つかっている。 
 
トーア・メトリクス社のデータが示すところでは、TOR(匿名通信システム「トウア」)のような検閲回避ツールを利用する人がますます多くなっている。つまり、通常のルートではインターネットにアクセスしにくいということだ。このことから、表現や自由な情報の交換を封じようとする政府の意図が見えてくる。 
 
アムネスティとエチオピア国内のOONIの現地担当者は、インターネット接続の異常な遅さ、ソーシャルメディアのサイトへのアクセス不能という事態を何度も報告していたため、ネット検閲が実際に行われているのか、またそうであればどの程度かという疑問が起こり、調査することになった。 
 
またアムハラ、アディスアベバ、オロミアで予定された8月6、7日の抗議行動までの期間に、この3都市でのモバイル機器でのネットアクセスが完全にブロックされたという報告もある。これは2016年7月から11月までのグーグルの透明性レポートでも確認されている。このレポートによると、デモ当日の2日間にエチオピアからのインターネット交信量が急激に減ったことがわかっているが、まさにその2日間で少なくとも100人が治安部隊に殺害されたのである。 
 
当局は市民が懸念を表現する場をすべて閉じてしまうのではなく、昨年からの抗議行動の根底にあるさまざまな人権侵害に積極的に向き合い、対処すべきである。当局は、政府の政策や措置を批判するにあたり、市民が意見を述べることを認めるべきで、それはオンラインでもオフラインでも同じことである。 
 
アムネスティは、政府がインターネットへのアクセス制限をやめ、市民の正当な訴えに対応するためにこの情報源を活用するよう要請する。 


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