2016年12月25日20時41分掲載
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TPP/脱グローバリゼーション
TPPは終わっていない、「TPPの亡霊」が彷徨っている ―― 若槻武行
すでに何度か書いてきたが、TPPは終わっていない。「TPPはもうなくなった」とか「アメリカは完全に離脱した」などと楽観視する声が多く聞かれるが、それは間違いと言えよう。
世界では自由貿易、すなわちグローバリズム、新自由主義、格差拡大の動きが強く、それがTPPの実態です。「TPPの亡霊」が、アメリカに有利に、さらに改悪して蘇る。その前に、TPPと同じ内容で、日米か数か国間のFTAとかEPAが出て来るだろう。
安倍政権が現TPPの国会批准にこだわるのは、環太平洋で今後の自由貿易や経済協定の主導権を握り、中国の進出に対抗したいからだ。
■「カジノ法」も「農協改革」もアメリカの強い要望で ――
カジノの周辺には質屋や金貸し屋が並び、「カジノ・ホームレス」が急増。
カジノ法の背後には、実はアメリカがある。アメリカ商工会議所(ACCJ)はカジノ法の成立を強く要望していた。同会議所は日本に在日米国商工会議所を1948年に創立。日本では米国企業を中心に1000社以上が会員となっている。本来、アメリカの利益を最優先にしている団体で、日本に対してはカジノ以外にも、実は農協改革、すなわち農協弱体化=解体なども提言してきた。(経済専門家の三橋貴明氏)
このACCJは「カジノ施設内部に消費者金融の設置」や「カジノの24時間営業」も求めている。カジノと多額の借金は何時でも何処でもセットだ。カジノ内部で借り入れが出来る。韓国で2000年にオープンし、韓国人も楽しめる「江原ランドカジノ」が、1年目に約170億円 利益を上げた。ただ、かつて日本のテレビで見たが、カジノに通じる道々には質屋が並び、宝石や貴金属を換金し、終いには自分が乗ってきた自動車まで売り払う人もいるという話だった。
今は、カジノで財産を失った人がカジノ施設周辺でホームレスとして住みつき、それが100人以上に急増しているそうだ。
日本でもやがて、そうなることだろう。それを見た松井知事は、何と言うのだろう?。
■ 安倍政権の暴走とマインドコントロール ――
安倍政権の暴走ぶりは、辺野古新基地建設・沖縄高江のオスプレーパッド建設、戦争法案、TPP、カジノ法・年金減額法の強行採決、東電の福島原発事故賠償金の国民への転嫁、それに便乗した最高裁の辺野古新基地建設・埋立承認判決、オスプレーの墜落事故と米軍へ言いなり対応……、留まる所がない。
これらを単純で幼稚な誤魔化しの言い訳で固め、国民を信じ込ませる……。ちょっと知れば、ちょっと考えれば、見破れるのに……。
この日本は今後どうなって行くのだろう。
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