2017年01月02日02時06分掲載
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国際
ND米紙ウィークリーニュース第110号(December 31, 2016)
●目次●
【ロシア、トルコ、イラン シリア休戦の意思を公表】WP 12/20
Russia and Turkey, joined by Iran, announce intention to halt war in Syria
【日ロ首脳会談 領土問題に行き詰まり】NYT 12/16
Meeting Between Japan and Russia Ends With Stalemate on Disputed Islands
【EU首脳・防衛費増額に合意 ロシアとトランプ不安により】LAT 12/15
Fears of Russia and Trump drive EU leaders to boost defense budgets
【中国で初 空母実射演習】AP 12/15
China’s 1st aircraft carrier carries out live-fire exercise
【先行き不透明な米韓政治 今後の対北朝鮮政策は?】NYT 12/11
With Uncertainties Roiling Washington and Seoul,What Next for North Korea?
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【EU首脳・防衛費増額に合意 ロシアとトランプ不安により】LAT 12/15
Fears of Russia and Trump drive EU leaders to boost defense budgets
12月15日付けのLos Angeles Times紙は、EU(欧州連合)首脳らが、同日ブリュッセルで開催された米大統領選挙後初の首脳会議にて、防衛費を増額することで合意したことを報じた。
同紙によると、NATO(北大西洋条約機構)非加盟6ヵ国を含むEU全28ヵ国首脳は、トランプ次期大統領による、米国のNATOへの防衛費負担に不満を表す発言や、ロシアへの接近に対する懸念から、防衛費の各国GDP比率を2%以上にするNATOの方針を満たすように誓約したという。これにより、EU諸国の軍事費は劇的に増加することになる。
また同会議では、独仏首脳が、ロシアとシリア政府によるアレッポへの爆撃に対して新たな経済制裁を課すよう要求したものの、トランプ氏のロシアへの対応が温厚になっていることを理由に、他国からの賛意は得られなかったと同紙は報じている。
但し、現状のウクライナ問題に関するロシアへの制裁を6ヶ月延長することには合意したという。
なお、英国のメイ首相は、同会議に出席したものの、EU諸国の首脳が英国離脱について話し合う晩餐会には招待されなかったことも同紙は報じた。
【中国で初 空母実射演習】AP 12/15
China’s 1st aircraft carrier carries out live-fire exercise
12月15日付のWashington Post紙は、中国が唯一所有する空母「遼寧」率いる戦闘艦船群が、同国で初の実射演習を行ったことを報じた。
中国海軍がウェブサイトで、数十の艦船と戦闘機が中国東部の渤海で演習に参加したと発表した。
先月、中国政府は、十年以上前にウクライナより未完成の船体のまま購入され、2013年に就任していた「遼寧」の戦闘準備が整い、これが遠洋での実戦能力の試金石となると発表していた。
中国は、未だこの空母をどのような意図で使用するかを説明していないが、同紙は、南シナ海のほぼ全域における領有権主張の強化にあたるとの見方を示している。
南沙(スプラトリー)諸島において領有権を主張する他の5ヵ国政府、特にフィリピンとベトナムは、米国やその他の国々の支援を仰ぎ、中国に対抗するための軍事力強化を目指していると同紙は伝えている。
【先行き不透明な米韓政治 今後の対北朝鮮政策は?】12/11 NYT
With Uncertainties Roiling Washington and Seoul,What Next for North Korea?
12月11日付のNew York Times紙は、米国で新大統領が決まり、韓国でも政権交代が起こる可能性が高まっていることを踏まえた、米韓新政権による今後の北朝鮮政策について報じた。
同紙は、韓国の次期大統領について、朴大統領による北朝鮮政策への批判が高まっていることから、核やミサイルの開発に対する制裁を覆すまではいかないまでも、北朝鮮との対話や経済支援を重視したリベラルな人物が選ばれる可能性が高いとの見方を示している。
また、朴大統領が進めたTHAAD(高高度防衛ミサイル)の配備を見直すのではないかとの識者の意見も紹介した。
一方、米トランプ新政権については、北朝鮮への制裁が核開発の阻止につながっているのかを検証し直すのではないかとの複数の専門家らによる見方を伝えた。
加えて、李根ソウル大学国際関係大学院准教授による「北朝鮮がトランプ次期大統領に北朝鮮国内での不動産開発をもちかけたら、トランプ氏は興味を持つだろう。不動産の開発が実現し、ビジネスチャンスが産まれれば、その見返りに北朝鮮も一時的に核開発をやめるのではないか」との意見も紹介している。
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