2017年01月31日23時46分掲載
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政治
山形県における野党共闘の実現を再び! 〜市民団体のネットワーク組織「野党共闘を求める市民の会(仮称)」が発足
厳しい寒波が山形県を覆った1月14日、次期衆院選に向けた山形県内での野党共闘を目指す市民団体のネットワーク組織「野党共闘を求める市民の会(仮称)」が結成された。
結成に関わったのは、「戦争やんだ!おきたまの会」「戦争させない・9条壊すな総がかり行動三川町実行委員会」「安保関連法に反対するママの会やまがた」の呼び掛け3団体で、昨年の秋頃から準備を進めてきた。
山形市内の大手門パルズで開催された結成総会には、市民の会の趣旨に賛同する多くの市民が集まり、会場は熱気に包まれた。
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<市民団体間の更なる連携を>
市民の会代表に就任した菊地若菜さんは、主催者を代表して挨拶し、市民団体間の更なる連携を呼び掛けた。
「山形県では、昨年の参院選において、野党統一候補が自民党候補に圧勝しました。これは野党共闘を求める市民の声が後押しした結果です。
この選挙を通じて、市民団体のネットワークという新たな希望の芽が出てきましたし、次期衆院選での野党共闘に向けて市民団体が連携していく必要があります。市民と野党の力で希望の持てる政治を作り上げていきましょう」
<市民一人一人が考えよう>
続いて、昨年の参院選山形選挙区で野党統一候補として当選した舟山康江参院議員(無所属)の政策秘書・梅津庸成さんが来賓として挨拶し、野党共闘の流れを次期衆院選につなげようと訴えた。
「山形県での野党共闘の流れは、吉村美栄子山形県知事誕生の頃からになります。それは、各政党がそれぞれの意思を持ちながら協力していくという、緩やかながらも力強い共闘です。
こうした状況が、昨年の参院選山形選挙区で発揮されたのではないかと思いますし、これを次期衆院選にもつなげていかなければなりません。また、市民一人一人が野党共闘をどうしていくべきかを考え、声を上げていく必要があります」
<野党関係者の発言>
次に、山形県内の野党のうち、共産党と新社会党の各代表者が登壇し、昨年の参院選の結果を踏まえた野党共闘の課題等を語った。
また、結成総会を欠席した民進党と社民党は、それぞれメッセージを寄せている。
「昨年の参院選の結果は、野党と市民が共同して統一候補を擁立したことによって、足し算以上の共闘効果が発揮されました。東北地方では野党統一候補が5勝しましたが、これはTPP、福島第一原発事故、東日本大震災復興、そして安全保障関連法に対して、多くの有権者が現状への反対を示した結果です。また、最も大きな点は野党が大義のためにまとまって与党に対抗すれば、勝てるということを示すことができたことです。
次期衆院選に向けては、野党間の共通政策を深めていき、実現に向けて力を合わせていくことが重要です。というのも、昨年の参院選では“安全保障関連法廃止”で一致しましたが、それ以外の格差、貧困、アベノミクスなどに対する対応は不十分でした。このような政策を豊かにして、実現させていかなければならないと考えています」(共産党・渡辺ゆり子山形県議)
「昨年の参院選において、野党統一候補が当選した選挙区では、安全保障関連法廃止のほかにも明確な対立点があったと思います。山形選挙区ではTPP、福島選挙区では福島第一原発事故、そして沖縄選挙区では米軍基地といった対立点がありました。ただ、野党共闘が一人区の選挙区に止まったこともあり、参院では与党に3分の2の議席を与えてしまいました。この事実を受け止めつつ、これから我々が何をしていかなければならないのかを考えていく必要があります。
次期衆院選に向けては、私たちが野党共闘を諦めることなく、様々なことでつながりを持つことが必要ではないかと思います。昨年の参院選では、安全保障関連法廃止といったことを掲げて野党が共闘したわけですが、これだけでは世論の幅広い支持を得ることはできないと思います。
だから、今こそ小さな違いを乗り越えて、大きな結束のためにどうすべきかを考えなければならないと思います。野党と市民がつながりを持ち、山形県内各地域において政治の変革を訴えていきましょう」(新社会党・中村平治山形県本部委員長)
「昨年の参院選山形選挙区では、与党の暴走を許さない固い決意を持った人々の結集により、野党統一候補の当選という価値ある結果に結び付きました。山形県を始めとして、野党統一候補の善戦が目立った東北地方での選挙戦を他地域にも応用していくことが、次期衆院選の一つの鍵になると考えています。
昨年の臨時国会では、与党による強行採決が立て続けに行われました。国民の声を無視した政権運営が続いているにも関わらず、安倍内閣の支持率が低下しないのは、我々の訴えが国民に届いていない結果であり、忸怩たる思いです。
次期衆院選については、各地域の経緯や事情があり、野党共闘の課題を全国一律に提起することは難しい面があります。しかし、山形県では昨年の参院選という良い前例があるので、その前例を念頭に置いて協議を行えば、野党共闘は実現できると考えています。
市民の皆さんにはネットワークの輪を大きくして、野党共闘への国民の期待を一層高めていただくことを期待します」(民進党メッセージ)
「昨年の参院選の結果を受け止めつつ、有権者からの支持を基礎とし立憲主義と民主主義を取り戻していく決意です。参院選では、一人区の選挙区で野党統一候補が11人当選したことは成果でしたが、比例区では自民党に圧倒的な議席を許す結果となり、力を十分に発揮できなかったことが残念でなりません。
昨年の臨時国会では、TPP参加に向けた急速な国会運営、年金法の改悪、カジノ法案の成立など、安倍政権による強行採決が目立ちました。
次期衆院選については、山形県には独自に根付いた“非自民”の芽があり、さらに枝葉が広がり、実が結ばれるように期待します」(社民党メッセージ)
<市民の訴え>
その後、原発、選挙制度、農業、環境、教育などの問題に取り組んでいる市民が、政党や行政に対する要望等を訴えた。
「山形県は、宮城県・女川原発、新潟県・柏崎刈羽原発に囲まれており、これらの原発で事故が発生すれば大きな被害を受けます。次期衆院選に向けた野党共闘の協議の場では、原発に頼らない社会を作っていくことを議論してもらいたいと思います」(男性A)
「多くの市民が幅広く結集するには、野党に希望を託せるような政策を示していくことが必要になります。また、現行の衆院の選挙制度では、たとえ与党候補が小選挙区で破れても、比例復活当選によって議席を獲得してしまいます。これを阻止するには投票率を高くすることです」(男性B)
「農業分野において、安倍政権が進めている政策は、6次産業化、大規模化、法人化などですが、これには何の展望もありません。農業政策は、野党間で最も合意しやすい分野だと思うため、農業政策における野党共闘に期待します」(男性C)
「山形県自然保護団体協議会は、現在、最上小国川ダム建設、酒田市十里塚に計画中の風力発電、県内各地における木質バイオマス発電といった問題に取り組んでいます。こうした問題に対して、行政にはもっと市民の声を聞くとともに、市民への説明責任を果たすことを求めます」(女性D)
「道徳を教科とすること、学力を数値化することに疑問を感じています。子供たちには一つの価値観を押し付ける教育ではなく、多様な視点から物事を見ていくことを教えるべきだと思います。それから、子供の貧困問題があり、進学を望んでいても金銭面で諦めなければならず、こうした問題への対応を考えてほしいと思います」(男性E)
「福島第一原発事故後、福島県から避難してきました。これまでは災害救助法に基づき、家賃負担がありませんでしたが、4月からは家賃を自己負担しなければなりません。このような問題に対して、国や東京電力に損害賠償させるための法整備を求めます」(女性F)
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市民の会は、4月16日(日)に山形国際交流プラザ“山形ビッグウイング”(山形市平久保100番地)において第2回目の集会を開催する。次期衆院選に向けた山形県内での野党共闘の行く末を、市民の会の活動を通じて注目していきたい。(館山守)
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