2017年02月05日01時59分掲載
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国際
ND米紙ウィークリーニュース第112号(January 31, 2017)
●目次●
【豪日首脳が防衛力強化に合意 アジア地域の不安定化を背景に】NYT 1/14
Australia, Japan Boost Defense Ties Amid Instability in Asia
【オバマ大統領退任の喪失感】NYT 1/19
Missing Brack Obama Already
【トランプ政権中東政策に制約 ロシアによる影響】WP 1/22
Russia’s new influence may limit Trump’s scope in Middle East
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【豪日首脳が防衛力強化に合意 アジア地域の不安定化を背景に】NYT 1/14
Australia, Japan Boost Defense Ties Amid Instability in Asia
1月14日付のNew York Timesは、オーストラリアのマルコム・ターンブル首相と日本の安倍首相が、軍事協力を強化することに合意したことを報じた。
同紙は、アジア太平洋地域における中国の軍事力強化への懸念が背景にあるとしている。両氏は合同軍事演習を円滑に進めるため、相互に演習時の物流支援をすることで合意したと発表。安倍首相は、4ヵ国歴訪中で、フィリピンの次にオーストラリアを訪問、その後、インドネシアとベトナムを訪問する。この歴訪は、南シナ海問題と北朝鮮の核脅威が主な議題となっていると同紙は報じている。
日豪首脳は、米トランプ政権が離脱を表明したTPP問題での関係強化を再認識し、米国との関係の重要性も唱えたと報じた。豪首相は「米国と豪日は安全保障で重要な関係にある」と声明を発表。同紙は、安倍首相が、シドニー到着前にフィリピンに87億ドル相当の民間投資とテロ対策に必要な機器の提供をすることを約束したことも報じた。
【トランプ政権中東政策に制約 ロシアによる影響】WP 1/22
Russia’s new influence may limit Trump’s scope in Middle East
1月22日付のWashington Postは、トランプ大統領の親露的な外交政策と米国の衰退により、中東における米国の影響力は低下し、ロシアの影響力がより増す結果となっていると報じた。
同紙は、モスクワ・タイムズのコラムニストのVladimir Frolovによる「トランプ氏が『アメリカ・ファースト』を掲げ、米国の中東からの撤退による穴をロシアが埋め、よりダーティーなことをロシアにさせやすくしている」との発言を紹介。
一方のロシアについては、シリア問題においては米国抜きでトルコ、イランと共に和平工作をするなど影響力を増していると指摘。シリアはロシアが味方につく限り、米国を必要とはしていないとみている。同紙はまた、ビジネスマンのトランプ氏からすると、シリアは赤字企業のようなものなので関わる動機も起こらないという。
その他、中東に詳しい識者のイランについての意見も紹介。2011年の米軍のイラク撤退後、イラクでの影響力を確かなものにしたイランにとって、トランプ政権は好都合となっていると解説しており、湾岸諸国がイランの対抗勢力として米国を必要としている中、米国が中東での政策を明示しないままでいれば、影響力を完全に失い全てをロシアに譲り渡す結末に陥る恐れがあると指摘している。
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