2017年02月05日03時12分掲載
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国際
トランプ大統領の「入国禁止令」を米メディアはどう伝えたか
トランプ大統領が1月27日に出したムスリムが大勢を占める7か国に対する入国を一時禁止する大統領令、これをアメリカメディアがどう報じたか。MSNBCのキャスター,レイチェル・マドー(Rachel Maddow)はまず指定された7か国が過去に米国に対してテロ活動をした国なのか?という基本的な認識から、検証を行った。マドーはあの9・11同時多発テロのテロリスト19人の出身国を示した。
そこで提示されたのはエジプト、アラブ首長国連邦、レバノン、サウジアラビアである。9・11同時多発テロのテロリストの出身地はこれらの国々だった。そしてその大半はサウジアラビアだった。これらの国は今回の入国禁止対象国に1つとして入っていない。なぜ?と疑問に思う人も多かったのではなかろうか。
さらにその後のアメリカ本土でアメリカ人を対象にしたテロ事件(未遂も含めて)の犯人の出身国を示すと英国、ナイジェリア、チェチェン、アフガニスタン系、パキスタン系だと彼女は指摘した。これらの国々も今回の入国禁止対象国には1つとして入っていない。
今回のテロ対策で入国が禁止されたのはリビア、スーダン、イエメン、ソマリア、シリア、イラク、イランの7か国である。これら国々の多くは確かに内戦が続いたり、イスラム原理主義勢力が拠点にしていたりするが、しかし、過去に米国で起きたテロ事件の出身国とまったくずれているのはなぜか、ということなのである。
■MSNBCのキャスター,レイチェル・マドー(Rachel Maddow)の検証レポート
https://www.youtube.com/watch?v=M-DzU3v4hIk
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