2017年02月11日15時38分掲載
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遺伝子組み換え/ゲノム編集
絶えない輸入種子の遺伝子組み換え汚染
農水省は2月2日、輸入時の栽培用種子に対する未承認遺伝子組み換え品種の混入検査で、パパイヤとワタで未承認遺伝子組み換え種子の混入が見つかったと公表した。栽培用種子の国内自給率が、すでに10%を割り込んでいるといわれて久しいが、種子を輸入に依存している現状では、遺伝子組み換え種子の混入はあっても不思議ではない。これまでにも、市民団体の調査で、ホームセンターで販売されていた菜花の種子から検出されたこともある。(有機農業ニュースクリップ)
見つかった未承認の遺伝子組み換え種子の混入は、パパイヤが39件中2件、ワタが6件中5件だったとしている。パパイヤとワタへの遺伝子組み換え種子の混入はここ数年、毎年のように見つかっている。これまでに、中国産のワタ種子から見つかっている。台湾産のパパイヤ種子からも見つかり、沖縄では自生も確認され抜き取りが実施されている。
・農水省, 2017-2-2
カルタヘナ法に基づく栽培用種子等の輸入時の立入検査結果
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/torikumi/index.html#3
農水省はこれまでに、遺伝子組み換え種子の混入があったアマ、パパイヤ、ワタ、トウモロコシ、ジャガイモについて輸入種子の検査を行っている。16年度で、新たにキャベツなどアブラナ科の野菜類が追加された。現在、GMナタネについては13品種の栽培が承認されているが、同じアブラナ科のキャベツやカリフラワーなどについては承認されていない。
現在、栽培が承認されている遺伝子組み換え作物は、カーネーションなどの花卉も含めて125品種ある。セイヨウナタネ、大豆、トウモロコシに限れば108品種になる。これらのすでに承認された遺伝子組み換え作物の種子が混入していたとしても、カルタヘナ法では違反とはならない。これらの栽培が承認されている遺伝子組み換え品種が栽培されたとしても、法的には問題とならない。北海道、新潟県、神奈川県など、遺伝子組み換え作物の栽培を条例で規制している自治体を除けば、いつでも栽培が可能な状態にある。
● カルタヘナ法で栽培が承認されている品種数
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作 目 栽培可能な品種数
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セイヨウナタネ 13
ダイズ 20
テンサイ 1
トウモロコシ 75
パパイヤ 1
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農水省「承認した遺伝子組換え農作物数」より
http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/carta/torikumi/index.html#1
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