2017年03月07日00時27分掲載
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コラム
新聞社は識者を集めた紙面審議会などより、自社の記者同志で首相との会食や記者クラブ報道の是非を論じるべきではないか
ニュースポストセブンの記事「安倍首相と記者クラブ 『赤坂飯店の夜』全真相」によると、やはりあの晩、安倍首相から森友学園の問題に関する話があった。2月27日の夜、安倍首相が赤坂飯店に内閣記者会に所属するマスメディアの記者たち(キャップら)を集めて、中華料理の懇親会を開いていた件である。記事によると、大手新聞政治部の記者はニュースポストセブンにこう説明したそうだ。
「キャップの話では、最初はもっぱら森友学園問題の釈明。総理は疲れた様子で『カネのやり取りとかやましいことは全くない』と内容は国会答弁の繰り返し。昭恵夫人の名誉校長の件についても『妻がそんな役職に就任していたなんてオレは全く知らなかった』というばかり。・・・」(ニュースポストセブン)
政権を揺るがす政治スキャンダルの渦中で、それを報じるべき立場のメディアの幹部たちが召集され、中華料理店で首相と夕食をともにしながら、首相の説明を聞かされていたのである。このことは記者クラブの問題と、首相との夕食会の問題とが複合されて、日本のマスメディアの病態の深さを示しているのである。
新聞によっては識者を招いて紙面への意見を聞いて、その対談を書き起こして見開きほどの紙面を定期的に作っているが、もうそういうレベルの問題ではないのではなかろうか。与党との癒着と言っても過言ではないからだ。外部の識者から意見を乞う前に、まず自社の内部で真剣に事の是非を議論するべきではなかろうか。もし、首相との夕食会に参加する必然性があるのなら、読者にまずそのことを説明すべきであろう。どうもマスメディアの人たちの感覚は普通からかなりずれている、という風に人々は思い始めているのだから。
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