2017年03月09日21時57分掲載
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米国
「米国史に大きな汚点を残すだろう」 アムネスティが米国新大統領令を批判
トランプ米大統領はイスラム教徒締め出しに関する新しい大統領令を出し、米国の難民受け入れ一時停止を復活させ、イスラム教徒が多い6カ国からの入国も一時的に禁止した。国際人権団体アムネスティは、この大統領令は米国史に大きな汚点を残すだろう都厳しく批判した。(大野和興)
アムネスティ国際ニュースは以下のように報じている。
トランプ大統領令は、米国の難民受け入れ一時停止を復活させ、イスラム教徒が多い6カ国からの入国も一時的に禁止した。
この大統領令により締め出されるのは、大統領が闘うとしているテロ行為から命からがら逃れてきた人たちである。この結果、同大統領は、米国史に大きな汚点を残すことになるだろう。国家の安全のためだと強調するが、筋違いも甚だしい。
大統領令は、米国の過去の施策の最も忌まわしい部分の多くを甦らせるだけである。米国が長年支持してきた価値観を踏みにじり、米国に再定住するはずであった数千人の難民の希望を打ち砕いてしまう。
永住権のある人は対象外だと明示したのは、単に司法対策に過ぎない。大統領令の背後にある反イスラム教徒の論理は、イスラム教徒に対する恐怖を喧伝する大統領選をよく知る人にとっては自明のことであろう。
難民の中は、瓦礫と化したシリアのアレッポを脱出した市民や、イエメンで迫る爆撃や飢饉を逃れてきた家族もいる。迫りくる恐怖から逃れてきたのであり、保護されるべき人びとだ。
今回の措置では、だれの安全も保障されない。むしろ、「米国はイスラム教徒に戦争を仕掛けている」と主張する過激な連中の思うツボである。
トランプ大統領の一挙一動が大騒ぎされているが、人権のための長年の米国の努力が著しく棄損されている、という事実を忘れてはならない。
誤りであり、狙いとは逆の効果しか生まない新大統領令に、あらゆる段階で抵抗していかなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2017年3月6日
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