2017年03月20日13時45分掲載
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アフリカ
【西サハラ最新情報】 国連事務総長に会った西サハラ難民大統領ご一行 平田伊都子
このところの外交闘争で、西サハラ難民政府はモロッコの金権外交に負けが込んでいます。 2017年1月31日にAUアフリカ連合への復帰を、金で買ったモロッコ国王は、アフリカ諸国をご外遊中です。 サウジ国王のご訪日でも見せつけられましたが、アラブ諸王の大名旅行は金に糸目をつけません。 一方、金のない西サハラ難民政府ではありますが、国連に直訴しないわけにはいきません。 西サハラは崖っぷちにあります。
トランプは国連分担金を大幅削減すると言ってます。 もし西サハラが黙っていたら、国連西サハラ住民投票もその住民投票監視団PKOのMINURSOも、削られてしまうのは目に見えているからです。
(1) グデイム・イジク・デモ裁判:
2017年3月13日、グデイム・イジク・デモ裁判がモロッコの首都ラバトで始まった。
グデイム・イジク・デモとは、2010年10月10日にモロコ占領地・西サハラのグデイム・イジクという所で、約2万人の西サハラ被占領民が約8,000のテントを張ってモロッコ占領当局に反対したデモを指す。世界が注目を始めデモが一か月続いた時、モロッコ治安軍がヘリコプターと軍用車で襲撃し、デモの住民を催涙ガスと機関銃で追い払いテントを焼き尽くした。死者36人、負傷者723人、行方不明159人と発表されたが、その後モロッコ当局は検証を目的とする人権団体や外交官やプレスの現地入りをシャットアウトし、モロッコ当局の発表として、死者12人、うち10人はモロッコ兵で2人は市民と、死者の数を修正した。
事件後に約500人が逮捕され、うち24人は裁判もなしに6年以上も劣悪な監獄に繋がれたままだった。国際機関の圧力で、やっと24人の裁判が開かれることになった。 しかし、裁判はモロッコ国王直属弁護団長ハッサン・ダキが仕切り、「モロッコ国王の御名の下に、犯罪人を厳しく裁く。彼らはモロッコ国王臣民である警官10人を殺した反逆者だ」と、モロッコ国王流不敬罪裁判を予告した。国際人権団体や司法組織が、<モロッコ国王流のグデイム・イジク・デモ裁判>に反発している。
(2) クラン・モンタナ・フォーラム:
CORCAS(王立サハラ問題諮問評議会)が、「前2回の成功に続いて、クラン・モンタナ・フォーラムが南モロッコの真珠・ダハラで、2017年3月16日から23日にかけて開催される。クラン・モンタナ・フォーラムは21世紀の新しいアフリカに向けて、アフリカのモロッコで世界の経済人や政治家を集めて討議される大イベントだ」と、宣伝した。
クラン・モンタナはスイスにあるスキーのリゾート地で、同じスイスのリゾート地で毎年開催されるダボス世界経済フォーラムの二番手を、モロッコ国王は狙っている。
ダボスだろうがクラン・モンタナだろうが、経済フォーラムをやるのはモロッコ国王の勝手だ。が、勝手にクラン・モンタナ・フォーラムを西サハラのダハラでやることはできない。なぜなら、ダハラはモロッコ領内にはないからだ。国連も国際裁判所も、西サハラは未確定地域とし、西サハラを占領支配しているモロッコに、領有権を認めていない。モロッコ国王は、<西サハラはモロッコのもの>というイメージ創りのため、自腹を切って、お祭りを強行している。先ず領有権をはっきりさせてから、西サハラ住民と共に堂々と、大イベントを開催されることをお勧めする。
(3) 西サハラ難民大統領が国連事務総長に直訴:
2017年3月18日、西サハラ難民大統領ご一行が、国連ニューヨーク本部に押しかけた。西サハラ難民大統領ブラヒム・ガリと国連事務総長アントニオ・グテーレスとの二者対談に続き、西サハラと国連関係者の会議が行われた。西サハラ紛争解決に向けての国連の努力をさらに促進させる方策や、西サハラ人の民族自決権行使を目指す国連西サハラ住民投票をスピードアップすることなどが話し合われた。西サハラ難民政府から、西サハラ難民大統領・ブラヒム・ガリ、国連代表ブハリ・アハマド、MINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)代表エンハミド・ハダッド、ワシントン代表ムロウド・サイード、大統領特別顧問アブダティ・ブレイカなどが、会議に参加した。国連からは、国連事務総長アントニオ・グテーレス、国連副事務総長政治局長ジェフリー・フェルトマン、国連事務総長西サハラ個人特使クリストファー・ロス、国連事務総長室長マリア・ルイザなどが、会議に参加した。
西サハラ難民政府大統領兼ポリサリオ戦線事務総長のブラヒム・ガリは、ニューヨーク国連本部滞在中に、国連安保理3月議長のイギリス国連大使やその他の安保理参加国代表に会うつもりであることを表明した。日本も国連安保理に非常任理事国として、参加している。
ぜひ、別所浩郎・国連日本政府常駐代表特命全権大使にも会ってください。
惰眠をむさぼっていた国際社会の政治家や官僚や識者に、トランプ・カンフル剤は効果覿面、、 みんな慌てて走り出しました。 ゴールまで、さぼらずズルをせず、走り切ってください。
西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2017年3月20日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
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