2017年03月26日07時18分掲載
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政治
国会と内閣 与党議員に三権分立の意識はあるのだろうか?
日本は三権分立を基本原理としていると学生時代に習ったが、目を疑ったのが23日の森友学園・籠池理事長の証人喚問だった。この時、質問に立った自民党の西田昌司議員や葉梨康弘議員、公明党の竹谷とし子議員、日本維新の会の下地幹郎議員らは籠池氏の信憑性を問う質問に全力投球しているように国会中継で見えた。彼らが連立与党の議員であることや与党よりの政党の議員であることを考えれば安倍首相夫妻に弓を放つかのような籠池氏の言動を叩いて政府を守ろうとする動機があることは想像でできる。
しかし、たとえ彼らがどの政党に所属していようと、彼らの身分は第一義的には立法府の国会議員であり、行政府に位置する内閣の一員ではないはずだ。証人喚問を国会で行っている根拠法は日本国憲法62条の国政調査権である。調査を行うのは国会議員である。
【憲法第62条】
両議院は、各々国政に関する調査を行なひ、これに関して、承認の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。
日本の三権分立では司法・立法・行政の3つの権力が互いに拮抗し、ある権力に不正があれば他の権力がそれを叩く、という構造になっているのである。
ところがだ、今回のことに関して言えば籠池理事長を国会で証人喚問する理由は次のようなものだったとされる。
「これまで、民進党などが求める参考人招致を拒否してきた自民党が、今回、逆に証人喚問を提案した理由について、竹下亘自民党国対委員長は
(籠池氏を)たださなければいけないという思いは非常に強く持っている。総理に対する侮辱だからしっかり受け止めなければならない
と記者団に述べた。」(「郷原信郎が斬る」より)
https://nobuogohara.wordpress.com/2017/03/17/%E7%B1%A0%E6%B1%A0%E6%B0%8F%E8%A8%BC%E4%BA%BA%E5%96%9A%E5%95%8F%E3%81%AF%E3%80%81%E8%87%AA%E6%B0%91%E5%85%9A%E3%81%AB%E3%81%A8%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%80%8C%E5%8D%B1%E9%99%BA%E3%81%AA%E8%B3%AD%E3%81%91/
総理に対する侮辱だから、国会に籠池氏を証人喚問して侮辱的な振る舞いに歯止めをかける、というのが狙いだと言うのだ。
籠池氏の過去の言動に与党議員が詰問的な質問をすることを否定したいわけではない。証人の信憑性を問うのは当然だろう。しかし、三権分立の本来の趣旨から言うなら、立法府に属する国会議員は第一義的には行政府である内閣に対立する立場、そして国民に代わって行政を監督する立場であるべきなのだ。国会議員は政党の代表であるよりも前に、有権者である市民の代表として国会に立っているのである。
しかし、23日の証人喚問を見れば与党議員にはそのような視点はほとんど見られず、行政府の長である安倍首相擁護に専心していたようにTVで見えた。恐らく多くの人にもそう感じられただろう。
■モンテスキュー著「法の精神」 〜「権力分立」は日本でなぜ実現できないか〜
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■日本の司法は独立を保てるか? 最高裁判事が全員、安倍首相の応援団になる日 自民党改憲案の真の怖さ
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