2017年04月16日12時55分掲載
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安部直文著「全図解 日本のしくみ 政治・経済・司法編」(講談社インターナショナル)
講談社インターナショナルから出版された対訳形式のバイリンガルブックスシリーズは書店で目にされたことがある方も少なくないだろう。 「英語で読む日本国憲法」という対訳本もこのシリーズで出版されており、憲法と英語を同時に学べる貴重な本だった。だが、ウィキペディアによると、講談社のこの子会社は1963年に設立され、2011年4月末で解散となっている。残念だ。
筆者が対訳という出版形式に初めて触れたのは30年前の学生時代にカナダを旅してケベックの古書店でジャック・プレヴェールの詩集「パロール」を手にした時だった。左ページにフランス語、右ページに英語の訳が記されていた。ケベックはご存じの方も多いだろうが、フランス系住民の人口が多く公用語はフランス語で、町では英語とフランス語がしばしば両方使用されている。講談社インターナショナルの本はこの対訳の詩集と同じ形式で、左ページが日本語、右ページが英語になっているのだ。
講談社インターナショナルの名著の1つが「全図解 日本のしくみ 政治・経済・司法編」である。日本の出来事を英語で報じる時に役に立つ一冊であろう。その道のプロだけでなく、むしろソーシャルメディアなどで国際交流をはかる時にも「あれは英語でなんというんだっけな?」と疑問に思う箇所が相当カバーされている。
通貨発行 issuing currency
政見放送 campaign broadcasts
証人喚問 summoning of witnesses
閣議決定 cabinet decision
本会議 full session
暫定予算 the provisional budget
法律制定 enactment of legislation
など知っているとすぐに使える単語が満載されている。それだけでなく、丁寧にイラストと図で日本の政治経済司法の仕組みが説明されているので、英語の勉強だけでなく、もう一度日本の社会制度を学習することができるのだ。多少は新しい制度になっているところもあるかもしれないが、基本事項はさして変わっていないはずである。
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