2017年04月17日00時59分掲載
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国際
ND米紙ウィークリーニュース第115号(April 13, 2017)
●目次●
【米軍、韓国でのTHAADの配備を開始 北朝鮮の脅威を理由に】WP 3/7
U.S. military deploys advanced defensive missile system to South Korea, citing North Korean threat
【金正男氏殺害: マレーシアと北朝鮮、互いに人質】WSJ 3/7
The Killing of Kim Jong Nam: Malaysia, North Korea Take Each Other Hostage
【中国 トランプ政権との関係を懸念 友好関係の醸成に全力】WP 2/28
Anxious China scrambles to build rapport with unpredictable Trump and his hawkish Cabinet
【「過激な、イスラム・テロリズム」 トランプをワシントンから分断】WP 2/28
'Radical Islamic terrorism': Three words that separate Trump from most of Washington
【中国が米国に圧力 北朝鮮産石炭輸入制限で】 WST 2/20
China Puts Heat on U.S. With North Korea Coal Crackdown
【米安全保障担当補佐官 マクマスター氏を指名】NYT 2/20
Trump Chooses H.R. McMaster as National Security Adviser
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【米軍、韓国でのTHAADの配備を開始 北朝鮮の脅威を理由に】WP 3/7
U.S. military deploys advanced defensive missile system to South Korea, citing North Korean threat
3月7日付のThe Washington Post紙は、昨年の夏に韓国政府と合意に至った韓国への高度防衛ミサイルシステムの配備を米軍が月曜日に開始したと報じた。この動きは、北朝鮮の一連の挑発行為を受けた動きであると同紙は見ている。
THAAD(終末高高度防衛ミサイル)システムは、5日に日本海に向けて北朝鮮によって発射されたタイプのような敵国の弾道ミサイルを、弾頭を用いることなく撃墜を行うことを目的に開発された。同紙によると、北朝鮮は国境から56キロ南に位置するソウルを射程にした数千もの砲弾を保有しているという。
中国は、今回のTHAADシステムの配備については、昨年から繰り返し「中国の安全を脅かすものである」と反対を主張してきた。中国は同システムの持つレーダー機能が中国の領空を監視できることを懸念していると同紙は伝えている。この動きを受けて、中国は火曜日に韓国の事業利益に対する報復措置に乗り出している。
韓国国内でも民主党から「国民や政界の声を無視している」と声明が出されている。時期的にも朴槿恵大統領の弾劾の決定が出される微妙なタイミングでもある。米国防長官ジム・マティス氏は1月に日韓訪問の際、「THAADは同盟国防衛に貢献するものだ」と述べていた。
【金正男氏殺害: マレーシアと北朝鮮、互いに人質】WSJ 3/7
The Killing of Kim Jong Nam: Malaysia, North Korea Take Each Other Hostage
3月7日付のWall Street Journal紙は、北朝鮮とマレーシアが北朝鮮の金正男(キムジョンナム)氏殺害事件を発端として関係が悪化、かつては友好国であった両国間の対立が激化し、相手国の国民の出国を禁ずる異例の措置を取っていると報じた。
朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省は同日、駐マレーシア北朝鮮外交官や国民の安全が「マレーシアで起こった事件の公正な解決を通して完全に保証されている」ことを当局が確認できるまで、北朝鮮内に滞在するマレーシア人の出国を禁じたと伝えた。
これに対抗し、その数時間後、マレーシアのナジブ首相は北朝鮮の措置を非難し国家安全保障理事会の緊急会議を呼び掛け、在マレーシア北朝鮮国籍者の出国を禁じた。マレーシア警察は、金正男殺害の犯人3名がクアラルンプールの北朝鮮大使館に潜んでいると発表。火曜日の午後には同大使館に簡易の包囲網が敷かれた。先週までは特権を与えられた一部の北朝鮮国民はビザ無しで入国ができた。マレーシアは殺害事件の直後、出国した4名の容疑者確保の協力を北朝鮮に求めている。韓国政府職員によるとその4名と他2名のマレーシア捜査当局が容疑者とする者が北朝鮮政府関係者だという。
【中国 トランプ政権との関係を懸念 友好関係の醸成に全力】WP 2/28
Anxious China scrambles to build rapport with unpredictable Trump and his hawkish Cabinet
2月28日付のThe Washington Post紙は、中国政府が、トランプ政権の定まらない対中国政策への不安から、友好関係醸成に努力していると報じた。
27日、中国の楊潔篪(ヨウ・ケッチ)国務委員は、オバマ政権時の「21世紀で最も重要な二国関係」に代わる新しい外交基軸を模索するためとして、トランプ大統領と会談した。
クリストファー・ジョンソン元CIA中国分析官は、米中関係の維持に資するテーマとして、気候変動問題に代わるものを中国が模索しており、それは経済関係であると主張しているという。
一方、アメリカも中国との対立回避に動いており、トランプ大統領は、習近平国家主席との電話会談の際に「一つの中国」に同意した。
また、日本と韓国を訪問したマティス国防長官は、南シナ海問題では軍事的解決ではなく、外交での解決を強調した。
ただし、中国は、韓国へのミサイル防衛システムの配備に不快感を示しており、ワシントンでは、軍事費の増額を約束するなどかつてないほど好戦的なムードにあるという。
同紙は、米中間の関係は不安定な状態が続くと指摘している。
【中国が米国に圧力 北朝鮮産石炭輸入制限で】WST 2/20
China Puts Heat on U.S. With North Korea Coal Crackdown
2月20日付のThe Wall Street Journalは、北朝鮮産の石炭に対し中国が輸入停止を行ったことで、中国が米国に北朝鮮の核開発の抑止に向けた新たな外交努力を求める上で多くの影響力を与えるであろうと報じた。
19日、中国の商務部が「国連による制裁を受け、北朝鮮からの石炭の輸入停止を施行している」と述べた。同紙は、この背景に、12日に北朝鮮が行ったミサイル実験に対する非難の姿勢を明らかにすることに加え、北朝鮮の核兵器開発断念に向けた中国の努力が不十分との米国の批判をそらす狙いがあるとみている。
同紙によると、中国の王毅外相は以前から北朝鮮に対する新たな多国間協議の促進を米政府に呼び掛けており、「より厳しい制裁は北朝鮮の安全保障上の懸念事項についての協議が付随しなければならない」とする中国政府の見解を繰り返し主張しているという。
トランプ氏は大統領選の期間中には北朝鮮との交渉の意志を表明していたが、当選後は、中国の北朝鮮への圧力の不十分さを非難しており、同紙は、王毅外相の主張には、このトランプ氏の姿勢に対する反応があるとみている。
同紙はまた、石炭が北朝鮮の主要な収入源であることに触れた上で、中国外交部系シンクタンクの朝鮮半島情勢専門家による、「北朝鮮はこれまで十分な石炭輸出による収入を確保しており、制裁により政権が危機に瀕することはない」との見方を紹介した。
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