2017年04月19日00時21分掲載
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文化
ベルリンにたどりついた亡命俳優たちの劇団 "The Exil Ensemble ” ニューヨークタイムズ文化欄から
ベルリンに中東からの難民によって構成された亡命劇団"The Exil Ensemble ”というのがあるそうだ。ニューヨークタイムズの文化欄の4月17日の記事”Refugees find home is a Berlin theater"(難民が見つけた住まいはベルリンの劇場だった)で読んだのだが、写真入りでかなり大きく取り上げられていた。ドイツ語だとどういう単語かわからないが、英語で言えば亡命劇団、とてもわかりやすい。
俳優は男女7人で、出身はシリア、パレスチナ、アフガニスタンである。いずれも過酷に弾圧されたり、戦乱の最中だったりする地域だ。そして、今、上演しているのが「冬の旅」(Winterreise = Winter Journey)と題されたドキュメンタリー的なドラマだと言う。そこにはユーモアや笑いも盛り込んでいるようだ。自治体や財団などの寄附で俳優たちは住まいと劇場(マキシム・ゴーリキー劇場)を得て2018年まで1年に2作を上演するほか、ワークショップなどを行う。
ドイツと言えば冷戦時代に東西を隔てた壁がなくなった後もトルコ人の移民らに対する放火や暴力事件が多発してきた。一方、メルケル首相はシリアの内戦が引き起こした難民の大量受け入れを実行したが、難民による暴力事件も起きてしまった。今に始まった問題ではないが、特に今、難民が急増している中、演劇がどうこの問題に取り組めるのかが問われている時だろう。今も中東で苦しい思いをしている同胞のことを思えば彼らに託されたものは大きいと思える。
■”Ach, wie deutsch ist uns zumute”ドイツ紙で報じられた「亡命劇団」。
http://www.tagesspiegel.de/kultur/winterreise-am-maxim-gorki-in-berlin-ach-wie-deutsch-ist-uns-zumute/19635326.html
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