2017年04月28日15時05分掲載  無料記事
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アジア

香港で相次ぐ弾圧  香港議会の民主派議員が共同声明

 2014年秋に香港の街頭を3カ月にわたって占拠した「雨傘運動」。あれから2年余りがたった今、みんなが求めた普通選挙の実施はいまだ道半ばどころか、ますます強権的な政府の対応が目に余る。民主化運動も四分五裂ぎみ。そんななか、今週、昨日から今日にかけて、本土派や活動家などが相次いで逮捕されている。香港での政治弾圧に対して、香港議会(定数70)の民主派議員25人が連名で声明を出しました。稲垣豊さんの緊急翻訳で紹介する。(大野和興) 
 
 
香港議会 民主派議員の共同声明 
 
法律に名を借りた梁振英による異論派への弾圧を強く非難する 
 
1、昨日、青年新政[政党]の梁頌恆、游?禎[元議員]および3名の[元]秘書が、昨年11月2日の違法集会容疑および[議場への]不法侵入罪の容疑で自宅において警察に逮捕された。そして今朝、香港衆志[デモシスト]、社民連、大専政改関注組[普通選挙実施をもとめる学生組織]、大学生連合会の元執行部らが昨年11月6日の基本法解釈反対デモでの犯罪容疑を理由に9名が逮捕された。 
 
2、われわれは梁振英氏が行政長官の任期終了間際の「大弾圧」による一連の異論派への政治訴追を強く非難する。それは7月に就任する新行政長官が掲げる社会的亀裂の修復をも困難にさせる。 
 
3、梁頌恆と游?禎はともに民選の立法議員である。われわれと梁、游の二名は政治主張と行動様式は大いに異なるが、梁振英政府によるたび重なる法律をたてにした両氏に対する弾圧はそれ以上に受け入れがたいものである。 
 
4、梁、游の両氏は昨年11月2日の時点で、議員宣誓手続きを完了してはいなかったが、法律的には依然として立法議員であり、裁判所もまだ議員資格はく奪の判断を下していなかったことから、その日は立法会[議会]の議事に参加する権利を持っていた。しかし立法会議長が両氏の議場への立ち入りを不当にも妨害したのである。この職権乱用が先に問題とされるべきである。梁振英政府が議会事務運営に強行的に介入して両氏を訴追して議員資格をはく奪するという目的が、現在はさらにすすんで「違法集会」と「不法侵入」にすり替えて両氏を告発しており、これは明らかな政治訴追である。これが行われれば、今後は容易に濫用されてしまい、議会内における如何なる抗議行動も、権力者が言論と思想的自由を統制するための政治手段となるだろう。 
 
5、われわれは梁振英政府がすぐに政治訴追をやめ、政治的異論派に対する不当な逮捕と起訴を撤回することを求める。 
 
6、われわれは市民社会の仲間たちが共通の敵に抵抗し、政治的弾圧に共同で抵抗し、香港人の民主化運動のスペースのさらなる後退を阻止するよう呼びかける。 
 
 
民主派立法会議員 
 
楊岳橋、郭家麒、郭栄鏗、陳淑荘、譚文豪、劉小麗、梁耀忠、梁國雄、陳志全、莫乃光、張超雄、邵家臻、梁継昌、毛孟靜、李國麟、葉建源、胡志偉、*謹申、黄碧雲、尹兆堅、〓俊宇、林卓廷、許智峯、羅冠聰、姚松炎 
 
2017年4月27日 


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