2017年05月28日15時48分掲載  無料記事
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人権/反差別/司法

人権活動家に対する弾圧が世界中で激化している  日本の安倍政権の振る舞いも同列

 国際人権団体アムネスティが世界で人権活動家に対する弾圧が強まっていると警告している。2017年5月18日のアムネスティ国際ニュースは「コミュニティのリーダーや弁護士、ジャーナリストなど人権擁護に取り組んでいる人びとが、世界中で過去に例をみないほどの脅迫、暴力、そして迫害にさらされている」と報じている。アムネスティは触れていないが、沖縄基地闘争のリーダー山城博治さんの微罪長期拘束や安倍政権の不正疑惑を政府文書を公開することで問いただした元公務員に対し、政権側がスキャンダルをマスメディアを使って流したり政府高官が当人を公の記者会見で人身攻撃をするといった事態が起こっている日本の安倍政権の振る舞いも、人権活動家への弾圧といってよい。(大野和興) 
 
アムネスティ国際ニュースは以下のように報じている。 
 
アムネスティの調べでは昨年、人権のために立ち上がった人びとが、少なくとも94カ国で脅迫や暴力を受け、63カ国で誹謗中傷にさらされ、22カ国で殺害された。 
 
NGOフロントライン・ディフェンダーの情報では、殺害された活動家は、2015年に156人だったのが2016年には281人と2倍近くに急増した。 
 
ロシアのプーチン大統領、中国の習国家主席、エジプトのエルシーシ大統領ほか、各国の指導者が、自由、公正、平等な社会の実現に欠かせない人権団体の解体に動いている。また今年は、人権活動家の迫害も多発している。 
 
最近の傾向としては、個人情報を扱う企業から個人の暗証キーを提供させて個人の通信情報を得るなど、テクノロジーとインターネットを駆使して、活動家らを威嚇し口を封じる手口も増えている。バーレーンでは、政府がスパイウエアを使って亡命した活動家を追跡、イギリスでは、警察がジャーナリストを監視下に置き、情報源を特定しようとする動きがあった。 
 
メキシコ、ロシア、スウェーデンなどでは、ネット上にジャーナリストや人権活動家の虚偽情報を流したり、テロリストや外国工作員呼ばわりして、その評判を落とし、社会からの反発を買うよう仕向けている。また、刑法、市民法など各種法規を利用した迫害、殺害や強制失踪などもある。 
 
国連は1998年に採択した「人権擁護者に関する宣言」で、各国に人権のために声を上げる人びとの役割と貢献を認識し、彼らを守る有効な手段を講じるよう求めている。アムネスティは今こそ、各国政府にこの宣言の履行を求める。 
 
アムネスティはまた、人権擁護の活動のために危機に直面している人びとの事例を取り上げ、彼らを保護する法体制の強化に向け意思決定力を持つ政治家らへの圧力を一層かけていく。これからも、活動家に対する攻撃事例を調べ、現地の地域社会や活動家と協力しながら人びとが立ち上がるように働きかけていく。 


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