2017年06月05日10時33分掲載  無料記事
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国際

仏大統領選を振り返る  マクロン候補に2時間半質問を浴びせたメディアパール  

  フランス大統領選は終わった。マクロン候補を筆者は支持していたわけではない。だが、日本の首相が国会や自分に批判的なメディアに対して予防線を張り、逃げ回り、質問に答えずはぐらかせるのが日常なことに対して、フランスではそうは問屋が卸さない。 
 
  マクロン元経済大臣が昨年夏の辞職後、秋に大統領選に名乗りを上げた直後、インターネット新聞メディアパール(Mediapart) がマクロン候補を編集室に招いて2時間半にわたる質問を浴びせた。専門記者たちが入れ代わり立ち代わり、質問を浴びせているのに対して、マクロン候補は逃げるということがない。メディアパールはルモンドを辞めた記者たちが立ち上げた調査報道で知られる厳しいメディアである。その回答が正しい政策かどうかは別として、答えをはぐらかせたり、逃げ回ったり、恫喝したりといったことは少なくともこの質疑応答にはない。官僚に代わりに答えさせる、ということももちろんない。マクロン氏は自分の言葉で説明し、論破しようと必死になっている。 
 
  読売新聞のような政権寄りの新聞ではなく、自分に批判的なメディアが浴びせる2時間半の質問に果たして安倍首相は耐えられるだろうか。ふりがな付きの官僚の作文を読み上げるのとは違うのだ。 
 
 メディアパールの大統領候補者への質問はマクロン候補以外の候補者にも昨年11月以降順次行われ、インターネットで放映された。ただ、国民戦線だけは〜理由は不明だが〜行われなかったそうだ。 
 
村上良太 
 
 
■メディアパールのマクロン候補(当時)への質問と答え 
  (映像)実際のインタビューは30分後くらいから始まる。 
https://www.youtube.com/watch?v=ggigQxtN5vU 


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