2017年06月05日19時31分掲載
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安倍政権を検証する
今も加計学園の(名誉)客員教授を続けていた萩生田光一内閣官房副長官 森ゆう子議員「バリバリの利害関係者じゃないですか」
森ゆう子議員(自由党)の参議院農林水産委員会での質問で、萩生田光一内閣官房副長官が過去に加計学園グループが営む千葉科学大学の客員教授だっただけでなく、現在も引き続き「名誉客員教授」という身分を継続していることがわかった。今、まさに大きな問題になっているのが加計学園が愛媛県今治市の国家戦略特区で獣医学部を52年ぶりに新設するために、「腹心の友」である安倍総理が文部科学省に圧力をかけたのではないか、という疑惑である。
答弁で萩生田氏は国会議員に復活して以後は報酬は得ていない、と説明しつつ、こう釈明した。
萩生田「(加計学園側から)国会に戻った時に、退任を申し上げたんですけれども、学校側の言葉を借りれば、年に一回でもいいからぜひ学生たちに授業をやってもらえないか、ということでありましたので、名誉客員教授という位置づけの中で4月1日に・・・を受けて1年ごとに更新しております。残念ながら国会議員になってからは1度も大学へ行く機会はございませんので肩書だけ、ということになりますけれども、そういう立場でございます。報酬等は一切貰っておりません」
森議員は国家戦略特区の基本法である「国家戦略特別区域法第五条第一項に基づく国家戦力特別区域基本方針」を示し、そこに情報公開の徹底や透明性の確保の必要性がうたわれているが、「全然、守られていない」と批判した。
さらに「公平性、中立性を確保することが極めて重要」と書かれているにも関わらず、萩生田内閣官房副長官が今も加計学園グループの千葉科学大学の客員教授の地位にあることは「バリバリの利害関係者じゃないですか」と指弾した。
この加計学園と縁の深い萩生田内閣官房副長官は高級官僚たちの人事に干渉できる内閣人事局のトップの地位にある。2014年4月の公務員制度改革関連法案可決以後、「『内閣人事局』が新設され、各省庁の官僚自身が作成していた人事案はなくなり、閣僚による職員の人事評価を考慮し、内閣人事局長が幹部候補者名簿を作成する制度になった。この内閣人事局長が萩生田氏なのである。審議官級以上の約600人の幹部人事に内閣(人事局)の意思が大きく反映されることになる。そう、萩生田氏は霞が関の官僚たちの生殺与奪を握る絶大な権力者なのだ。もちろん、そこには安倍総理の意向が反映することは言うまでもない。安倍総理も過去に加計学園から役員報酬を受けていたことが判明している。
今回、前川喜平・前文部科学省事務次官が加計学園の愛媛県今治市での獣医学部新設の件で安倍政権からの圧力があったと証言したことで、文科省の前川派の官僚たちは6月の人事異動の時期に報復として粛清されるのではないか、という報道も行われている。
■2017 06 01 参議院農林水産委員会〜森議員と萩生田氏の質疑応答〜国会中継映像から
https://www.youtube.com/watch?time_continue=7197&v=gxCg8OpJ_3A
■萩生田光一内閣官房副長官と加計学園と安倍首相夫妻 そして二人の文科省官僚OB
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201703170452125
■大下英治著 「安倍官邸『権力』の正体」 安倍政権の4年間を振り返る
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