2017年06月12日03時52分掲載  無料記事
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政治

フランス国会議員選挙(下院) 第一回目投票 マクロン大統領のEn Marche! が首位  社会党は解党の危機か

  フランスでは大統領選に続いて国会議員選挙の第一回目の投票が日曜日に行われた。テレビでも、開票速報が始まったが、TVチャンネル、BFMTVの出口調査から、マクロン大統領が率いる"En Marche! "の中道グループが 30%を超える得票率で首位に立っている。2位が右派の共和党グループ、3位が極右の国民戦線、4位が左派の「服従しないフランス」、そして社会党グループは9%と5位になっている。 
 
  社会党は解党の危機と見てもよいだろう。BFMの予測では現在の295議席から30〜40議席に縮小すると伝えられている。オランド大統領の5年間が有権者の信頼を裏切り、得票率は一気に下降している。公約を守らず、与党の座に甘んじて結果のない、独裁的政治を続けた結果である。落ち目になった社会党を離脱して、与党のEn Marche!に移行する政治家も出ている。 
 
  一方、左派の「服従しないフランス」は微増の見通し、国民戦線は前回から大きな変化はなさそうだ。3年前は国民戦線に風が吹く可能性もあると見られていたが、突如台頭したEn Marche!がその伸びしろを奪っていったと言える。 
 
  En Marche!の中道グループは全577議席中、400議席を超える見通しが伝えられている。これはフランスの多数の有権者がマクロン大統領にやりたいことをやらせる判断をしたと言える(※とはいえ棄権票がかなりあるようだ)。その結果、行政府と立法府をEn Marche!が制して、労働市場の流動化や労組の権限縮小、法人税の軽減など、フランス社会が新自由主義社会に加速度的に変化していきそうだ。ただ、マクロン大統領は新自由主義の政策だけでなく、一定の社会福祉政策も大切にしてくれるだろう、と期待を持つ人も少なくないようだ。だがマクロン大統領の公約によると、社会保障関連予算は大幅に削減される見込みである。 
 
 
 
 
■マクロン大統領の行政立法案  フランスの労働法の解体へさらなる弾みか  鍵は11日と18日の国会議員選挙 
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■フランス大統領選 先頭に出た男エマニュエル・マクロン氏(元経済相・元金融マン) その経済政策は? 
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