2017年06月13日16時13分掲載
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政治
事務次官にもいろいろ 共謀罪を推進する法務省黒川事務次官は小沢一郎つぶしと甘利収賄握りつぶしで活躍した人物
共謀罪法案をめぐり、採決を強行しようと狙う政府与党と阻止しようとする野党4党のとせめぎあいがピークに達している。森友・加計問題に代表される安倍政権の独裁と腐敗が生まれた背景には、官僚の人事権を握り、霞が関を恐怖支配している官邸の力があるとされているが、共謀罪強行についても、同じ構造がある。昨年9月5日付けの法務省人事に際し、法務省が作成した原案が官邸によってひっくり返されたからだ。このとき官邸の口出して決まった黒川法務省現事務次官は従来から官邸と近く、甘利明前経済再生担当相の口利きワイロ事件を潰した人物だといわれている。(大野和興)
2916年9月の法務省人事は、前代未聞の結果となったとされている。法務省の原案が官邸によってひっくり返されたのだ。事務次官の人事案が差し替えられ、それと連動して検事長の人事も変更された。従来、検察を抱える法務省の人事については政権は介入しないという不文律があった。それが安倍政権によって破られたのだ。
原案では事務次官は林真琴刑事局長がつく予定だった。その原案をもって稲田事務次官(当時)が了承を得るため官邸を訪ねた。ところが菅官房長官は、事務次官には稲田氏ではなく黒川弘務官房長をあてるよう要請した。要請とは言うが、相当に強い意向だったようで、朝日新聞が発行するwebニュースサイト「法と経済のジャーナル」は、「官邸側の意思は硬く、稲田氏の説得が受け入れられる状況ではなかった。稲田氏は真っ青になって帰った」と、その時の模様を伝えている。
こうして法務事務次官に就任した黒田弘務氏とはどういう人物か。同webサイトは黒川氏の経歴を次のように紹介している。
「黒川氏は政官界へのロビーイング・調整能力を買われ、司法制度改革の設計段階から法務省側の中枢的な役割を担った。改革実現後は、秘書課長、官房審議官、官房長と政界や他省庁との折衝を担当。官房長在任は5年の長期に及んだ」
自民党とはぴったりだったようで、以下のような記述もある。
「黒川氏の官房長在任中は、政権が民主党から自公に交代し、政治との距離感がとりづらい時代だった。また検察で不祥事が続発し、法務・検察への逆風も吹き荒れた。黒川氏は、小沢一郎元民主党代表の資金管理団体を舞台にした政治資金規正法違反事件では、同党議員から自公政権に有利な捜査を主導する『黒幕』と非難され、直近では甘利明元経済再生担当相があっせん利得処罰法違反で告発された事件でも『政権与党側に立って捜査に口をはさんだ』とネットメディアで批判を受けた」
要するに自民党の意向を受けて小沢一郎つぶしと甘利免罪に動いたというものだ。
甘利事件というのは、建設会社の依頼で、都市再生機構(UR)へ移転補償金の値上げを“口利き”した見返りに賄賂を受け取っていたというものである。最低でもあっせん利得処罰法違反、場合によっては刑法のあっせん収賄罪も成立する事件だが、検察は本人はもtろん、口利き衣深くかかわっていた秘書二人も含め全員不起訴にした。黒川官房長(当時)が捜査現場に圧力をかけたとささやかれている。
この顛末からわかるのは、安倍政権は人事権を盾に法務・検察まで握って、法律を自在に操っているということである。このままでは、こんな政権に共謀罪が握られてしまうう。
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