2017年06月21日15時05分掲載  無料記事
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農と食

多国籍アグリビジネス大手ダウとデュポンの合併を米国司法当局も認める

 農薬・種子大手のダウとデュポンは6月15日、米国司法当局より一部農薬と化学品事業の売却を条件に合併を承認されたと発表した。デュポンとダウの発表によれば、両社はすでに欧州やブラジル、中国などの承認を得ていて、2017年8月までに手続きを完了させるとしている。両社は2016年2月、対等合併で合意していた。これにより農薬と種子の世界的な寡占化はより進行することになる。(有機農業ニュースクリップ) 
 
 ・DePpont, 2017-6-15 
  Dow and DuPont Receive Antitrust Clearance from U.S. Department of Justice for Proposed Merger of Equals 
  http://www.dupont.com/corporate-functions/media-center/press-releases/dow-and-dupont-receive-antitrust-clearance-from-us-doj-for-proposed-merger-of-equals.html 
 
 中国化工集団公司(ChemChina)による、農薬・種子企業シンジェンタの買収は、中国化工が5月末に95%の株式交換を終えたと明らかにしていた。 
 
 ・Syngenta, 2017-5-31 
  ChemChina announces the definitive end results of the tender offers for Syngenta 
  http://www4.syngenta.com/media/media-releases/yr-2017/31-05-2017 
 
 一昨年12月以来の農薬・種子企業の大型合併・買収は、バイエルによるモンサント買収を残すだけになる。競争規制当局の一部事業の売却という条件がついたとしても、農薬と種子の世界的な寡占化はより進行することになる。 
 
 米国ではこの100年の間に、野菜など作物の9割の品種が消滅したという。寡占化の進行は、栽培作物の品種減少をもたらし、結果、将来の気候変動などによる食料供給の脆弱性を増大させるだろう。1800年代の中ごろ、アイルランドで起きたジャガイモ飢饉を想起させる。 
 
【関連記事】 
 ・No.805 モンサント買収 バイエルは除草剤とGM種子事業を売却へ 
  http://organic-newsclip.info/log/2017/17050805-1.html 
 
 ・No.787 欧米当局 相次いでシンジェンタ買収を承認 
  http://organic-newsclip.info/log/2017/17040787-1.html 
 
 ・No.783 EU ダウとデュポンの合併承認 
  http://organic-newsclip.info/log/2017/17030783-1.html 
 
 ・No.743 モンサント バイエルの買収提案を受け入れ 
  http://organic-newsclip.info/log/2016/16090743-1.html 


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