2017年07月27日21時33分掲載
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アフリカ
南スーダン:紛争中の性的暴行、数千件にのぼる
政府側と反政権側の内戦が続くスーダンでは、紛争が始まった2013年12月以降、同国各地で悪質な性的暴行が横行している。女性、少女、さらに男性が、敵対する勢力の戦闘員から性的暴行を受けてきた。被害者数は数千人に達すると見られ、その多くは、後遺症に苦しめられ、支援や医療も受けられず、悲惨な状況に置かれている。(アムネスティ国際ニュース)
アムネスティは、現地の人権活動家10人と合同で、国内4つの州とウガンダ北部の難民キャンプで、被害者168人(うち男性16人)に聞き取りをし、報告書にまとめて発表した。
紛争の当事者は、キール大統領派とマシャル前副大統領派で、大統領がディンカ族の出身、副大統領がヌエル族の出身であるため、それぞれの民族を巻き込んだ軍や武装グループによる戦闘が続いてきた。そして、両派の兵士が、敵対する側の住民に性的暴行を加えてきた。
多くの被害者は、悪夢に苛まれ、記憶喪失や集中力の欠如を訴え、自殺を考えたと語る。いずれも、心的外傷後ストレス障害に見られる症状だ。心身両面で大きな傷を負い、後遺症に苛まれ、人生を狂わされているのだ。さらに被害女性の多くは、夫やその親から疎まれ、世間からは冷たい目で見られる。
強かんされた後に殺された女性もいる。ある女性は、HIVに感染してしまった。性的暴力の後遺症で、排尿をコントロールできず、頻繁に出血する女性もいる。兵士たちが再び戻ってくる夢を見るため、3時間も眠れないと語った女性もいた。
被害者には男性もいる。強かんだけでなく、局部を切り取られたり、針で刺されたりなど、壮絶な暴力を受けた。
政府は国を挙げて、まん延する性的暴力に対して断固とした対策を打たなければならない。まず、いかなる犯罪も厳しく取り締まる姿勢を打ち出し、これまでの暴力行為に対して徹底した捜査を行い、加害者を公正に裁くことだ。
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