2017年08月03日10時32分掲載
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国際
クーデター失敗を利用 トルコ大統領 強権へ前進
7月17日付のThe Washington Post紙は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領への軍事クーデター発生から1年経ったが、同大統領の政治手法が、自身の主張する「民主主義を守るものである」ということからは、かけ離れていることを論じた。
昨年の7月15日は、トルコにとっての団結を示す出来事であった。兵士の反乱勢力がイスタンブール等で暴動を繰り広げ、多くの市民を含む250人以上が死亡、数千人が負傷した。その翌月、大統領は野党党首のケマル・クルチダルオール氏と共に集会に参加するほど民主主義擁護の姿勢を示した。
しかし今や、それは見る影もないと同紙は指摘。大統領は、「国賊の頭を剥ぎ取る」と15日のイスタンブールでの国家主義者デモで述べ、3週間に及ぶ反体制デモを指揮したクルチダルオール氏を叱責した。大統領は、クーデターの失敗後、それを「神からの贈り物」と宣言をして、クーデターと関連があると思われる人々への迫害を始めたが、大統領支持者は「民主主義を強化している」と主張しているという。
今年、国民投票によりトルコは、議会制民主主義から、大統領一強支配へと変貌した。クルチダルオール氏は「国民の半分をテロリスト呼ばわりし、一人に権限を集中させ何の牽制機能もないことこそ民主主義への冒涜である」と批判した。
〔ND米紙ウィークリーニュース第125号(July 29, 2017)〕
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