2017年08月05日13時55分掲載
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国際
クリミア制裁違反 独企業が露企業を批判
7月10日付のNew York Times紙は、ドイツの多国籍企業シーメンス(Siemens)社が同日、顧客であるロシア企業テクノプロムエクスポート(Technopromexport)社がEUによる制裁に違反してクリミアにタービン発電機を輸出していたことを公表したと報じた。
EUは、ロシアがクリミアを併合した2014年から、EUの企業に対しクリミアへのインフラ設備の輸出を禁じる制裁を課していた。ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は同日、発電機はロシア製のもので制裁の対象外と弁明したが、シーメンス社によると、ドイツに所在するシーメンス社との契約があることで制裁の適用を受けるという。
ロシアはクリミアの深刻な電力不足を解決したいと強く望んでおり、そのことがドイツとの関係を刺激することとなったと同紙はみている。
政治コンサルティングを専門とするユーラシア・グループ(Eurasia Group)社のヨーロッパ部長ムジタバ・ラーマン氏は、電力問題に関してのロシア−EU関係は良好とは言えず、さらに今回の件で独露関係は悪化するだろうと予測している。
ロシアと170年近くも取り引きしてきたシーメンス社が告発に臨んだのは、2016年のテクノプロムエクスポート社からの売り上げが2013年の半分にまで落ち込んでいたことや、制裁に違反したことよる多額の罰金を恐れてのことだと同紙は伝えている。シーメンス社は「ロシアでの事業すべてについて、制裁に違反していないか見直す」と発表した。
〔ND米紙ウィークリーニュース第125号(July 29, 2017)〕
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