2017年09月26日20時55分掲載  無料記事
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コラム

安倍首相に飽きた日本人 「安倍後」に沸くTV番組特需

  日本人がなぜ安倍首相を5年も選挙で勝たせてきたかと言えば、野党がバラバラで小選挙区制を勝ち抜けなかったことも要因としてあるが、もう一つが安倍チームの奇抜な手口に翻弄されてきたことも大きい。2014年の突然の解散とその理由として挙げられた消費税引き上げをどうするか、などは野党も国民も意表を突かれ、安倍チームの思うとおりに進んだ。だが、今回の選挙でもそれが通用するか、と言えば、難しいのではないか。 
 
  というのは安倍チームの手口がすでに一度やった手口の繰り返しばかりで国民にサプライズを与えないばかりか、使いまわしの下着のような臭気を発してきたことである。選挙ではつまらないことを争点にして棄権する人を増やして勝つと言う手口も、選挙戦で語らなかったことを選挙後に次々と法案にして強行採決する手口も、無邪気な妻の応援も、そのすべてがすでに目新しさがない。そればかりか、今、安倍チームは手口を探している手の内まで国民にさらしてしまっている。 
 
  このようになってしまった理由としては安倍チームの人材がすでに払底してしまったことが挙げられるだろう。そしてアイデアも枯渇してきているようだ。アベノミクス、北方領土、少子高齢化、地方の疲弊、非正規雇用者の困窮化。いずれも誤魔化しがきかなくなっており、安倍首相がどう話しても壊れたレコードのように響いてしまうのだ。何一つハートにぐっと来る言葉がない。中身が不在だからだ。脱北者のように自民党議員が野党へ離脱し始めているのは選挙での苦戦の予兆かもしれない。つまり、過去に連戦連勝してきた自民党内に不安が広がっていることを示している。 
 
  安倍首相が国政選挙で勝つためには過去にない新たな手口がなければ難しいようだ。だが、どれをとっても過去に使ってしまったものばかりとなると、厳しい戦いになるだろう。北朝鮮のミサイル騒ぎも、あの避難訓練を見る限り、どこまで国民に安倍政権への期待をかきたてることができるのか疑わしい。 
 
  もし選挙で自民党が負ければ森友・加計問題は国会に安倍夫妻や加計理事長らを招いて、きちんと検証されることになるはずである。そのステージの方が国民にはよほど面白い見世物となるだろう。真実は面白いものだ。放送局は過去にない高い視聴率が取れるに違いない。国民は真実に飢えている。安倍首相が首相の座から降板すれば放送産業は半年ぐらいは「特需」に沸く可能性がある。国民はもう表舞台の安倍首相が面白くなくなっており、説教臭いこの政治家にすっかり飽きてしまったのだ。見たいのは「男たちの悪巧み」のような、本音に生きる裏舞台の安倍首相である。 
 
 
 
■日本人のハートに火をつける安倍首相 
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