2017年10月06日16時08分掲載  無料記事
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政治

リベラル派の集結には立憲民主党に自民党・宏池会の参加が必要  さもなければ改憲派の圧勝   立憲民主党は候補者数が圧倒的に不足 政権を作れない政党に勝ち目無し

   民進党のリベラル派議員たちは希望の党に参加せず、立憲民主党を構築したが、まだまだ小さな勢力に過ぎない。ツイッターを見る国民は有権者の母数の中から見れば大海の一滴だろう。ツイッターだけで風が吹いていると見るのは時期尚早ではないか。マスメディアは基本的に小池百合子党首に好意的である。 
 
  目下、立憲民主党の候補者60人ほどが大健闘したとしても自民党と連立しない野党議員を足して、衆院の3分の1を超えることは難しいかもしれない。衆院の定数は465人(小選挙区289人、比例代表176人)もあるのだ。その3分の1は155人である。このままでは野党共闘合わせても100人を越えることが難しいのではないか。立憲民主党の擁立する議員数があまりにも少なすぎるのだ。前原氏、小池氏に勝利の余裕が生まれ始めているようである。安倍首相を解任して別の首相を立てることを条件に、自民党と希望・公明・維新が連立する方向で候補者たちがソロバンをはじき始めているのではないか。 
 
   たとえ出身が民進党であろうと踏み絵をさせられた以上、希望の党の議員は全員、自民党改憲案に1票を投じることになる。立憲民主党は何のための政党なんだっけ?排除された議員の失業対策だったのか?もう敗色が出てきた。政権を作る気がない政党は必ず負ける。立憲民主党の腰が引けていることが2〜3日もすれば市民に露見するだろう。残念だが希望の党の小池党首の方が力と意志がはるかに漲っている。候補者も192人擁立した。たとえ質がなんであれ、そこには政権を奪うというメッセージがある。今日の段階では枝野氏は前原氏とは同じことを狙っているようにも見える。自民党政権の存続である。そうでなければ枝野氏は政権奪取への構想を応援する市民にクリアに伝えた方が良い。もしまだ存在するならば、だ。 
 
  今のままでは自民党が公明党以外にも希望の党や維新と連立して改憲勢力で3分の2を維持する可能性が高い。それを避けるには自民党の宏池会が党を離脱することが必要だ。それができなければ改憲の国民投票が東京オリンピックまでに実施される確率が高まってきた。このままでは前原氏は10月22日の開票速報番組で笑顔でVサインを出し「すべて想定済みでした」と言うだろう。リベラル新党結党のユーフォリアに浸っている場合ではない。 
 
 
武者小路龍児 


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