2017年10月08日22時28分掲載
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アジア
米朝交渉が決裂する場合、米先制攻撃による第二次朝鮮戦争の可能性 戦後の北朝鮮にアジア・イスラム国も
トランプ政権の任期中に北朝鮮の核ミサイルが米本土を射程に収めると予測する人がおり、米国はその前に交渉による解決を目指している。だが、もし決裂した場合は米軍が自衛のためと称して先制攻撃を仕掛けるかもしれない。その場合、安保法制をこのままにしておけば日本の自衛隊も参戦することになる。単に米軍の基地があると言うだけでなく、日本が戦争の当事者となるため、全土が北朝鮮との戦時体制に移行するだろう。
今回、安倍首相が「国難」を理由に総選挙を行い、前原民進党党首が異常な「合流」を仕掛けてまで戦争ができる日本を確保しようとしたのは日本の政治家の都合だけではなく、米側との何らかの擦り合わせがあるのかもしれない。米国としては北朝鮮と平和に交渉を終えたいだろうが、最悪の場合、ミサイル基地や核兵器開発基地をすべて一撃で破壊する作戦と最速で首脳部を拘束する作戦を行うことになるかもしれない。
こういったことはいずれも可能性に過ぎず、実際には何が起こるか未知数だ。作戦が失敗することは多々ある。しかし、米側の戦略を練る人たちは最悪の場合の軍事作戦の準備を当然行っておくはずであり、その場合、地上部隊がどう動き、兵站がどういう体制で行われるのか、さらには戦後の処理と南北の統合プロセス、通貨統合のプロセスなど様々なレベルでプランニングを行っているのかもしれない。
日本が米側と北朝鮮攻撃の同盟関係に入り、軍事作戦を共有させる場合は日本も戦時下に突入することになる。そのためには安保法制と改憲を自民党と希望の党が何としても確保しようとする動機が理解できるだろう。この道を日本人が選択するのであれば戦死者が一定数出ることも覚悟しておく時だ。イラク戦争の時のように簡単に占領しただけで終わらず、10年を超える内戦に陥るかもしれない。また権力の空白状態が好きなアジア地域のイスラム国のメンバーが東アジアへ入って政権の残党と組んで拠点を構える可能性もある。そこにはウランがあり、技術者がいる。昔満洲と言われた地域からシベリア、そして北朝鮮にかけての広大な地域にイスラム国が拠点を作ればアジアが中東化し、アジアでイスラム原理主義が台頭する可能性がある。その先には日本海に臨んで日本の原発が並んでんでいることを忘れてはならない。
※これまでの歴史から米軍が軍事侵攻した後にイスラム国が拠点を作ってきたことがわかる。その場合に起こりうるリスクと可能性を列記してみよう。
1)権力の空白地域にイスラム国が進出(イラクやリビア)
2)イスラム教が世界に伝播 アジアでも一大発展の可能性
3)北朝鮮の豊富な地下資源とウランはイスラム国の復活の
資産となりえる。 核技術もイスラム国へ。
4)ロシア・中国・北朝鮮の国境地帯は密輸に好都合
5)日本の原発が射程に入る
6)アヘンや薬物の生産・販売網の拠点を作る可能性
7)韓国が北の内戦(親米政権VS旧政権の残党+イスラム国戦士)に巻き込まれていく可能性。自衛隊の半島駐留が長期化する可能性も。南沙諸島や尖閣諸島、日本列島周辺の警備も考えると、自衛隊の兵員や海上警備の人員が絶対的に不足する可能性もある。徴兵制と核武装が次に浮上するかもしれない。
8)アジア・イスラム国が北朝鮮に設立された場合、格差社会に絶望した日本の若者が中国から北朝鮮に越境し、戦士となって日本に帰国する日が来るかもしれない。これらはフランスで起きたことである。彼らは欺瞞的な選挙で政治を変えるのでなく、銃とミサイルで政治を変えようと試みるかもしれない。
安保法制によって、「戦後」(内戦継続中)は自衛隊が北朝鮮の国内治安を担当することになるだろう。このような可能性を考えれば軍事侵攻が周辺国には大きな代償を伴う可能性もある。
※フィリピン戒厳令1か月超 アジアで新たな拠点構築進める「イスラム国」(The Page)
「現在、ISに忠誠を誓うかISへの支援を申し出ているイスラム過激派組織は世界に50近くあるといわれていますが、アジアに限定すると、フィリピン5組織、インドネシア3組織、パキスタン3組織、アフガニスタン2組織で、フィリピンを除くといずれもイスラム教徒の国民が多数を占める国となっています。」
https://thepage.jp/detail/20170629-00000010-wordleaf
綿貫道夫
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