2017年10月24日16時40分掲載  無料記事
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コラム

進化する機会を得た民進党 勝利して進化する機会を逸した自民党

  今回の選挙で284議席を得て基本的に選挙前の数を維持できた自民党の幹部たちが政策が信任されたと考えているとしたら、将来に禍根を残すだろう。臨時国会冒頭解散、国会での追及に対する真摯な回答の欠如、不可解な民進党・前原党首の「合流」騒動、希望の党の野党攪乱・・・・今回の選挙は自民党の選挙テクニックや自民党を外から支援する政治家・経済界などの勢力が支えた極めて技術的な勝利だった。さらに台風も直撃した。根本的なところで自民党のあり方が信任された、と考えるのは尚早であり、そのことは野党支持者にとってよりも自民党支持者こそ真剣に考える必要がある。 
 
  というのも、前回の通常国会で露呈してきたことは自民党の様々な問題であり、もし選挙で厳しい裁定がくだされていたら、改善に取り組むことになったはずだった。ところが、選挙で勝利してしまうと、今までと変える必要を感じないだろう。国民から支持されているのだから、何をしてもいいんだ、国民が選んだのだから、過去の問題も全部終わったのだ、と考えるとしたら、自民党自身が将来、行き詰まってしまうはずである。 
 
  その一方で、民進党は過去にネックになってきた鵺的な構造を捨てることができた。それぞれの議員が路線を鮮明にでき、再出発の1歩を踏み出すことができた。小さな一歩であっても筋を通した政治家には国民の厚い支持があることが証明された。今回の熱狂的な市民の支持を前に、過去の民主党・民進党時代の悪かった点を謙虚に反省することになった、と立憲民主党の枝野党首は語った。そのことは安倍政権を頂く自民党と好対照である。 
 
 
南田望洋 


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