2017年10月28日14時03分掲載
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政治
極右政党"進化"論 集団的自衛権行使のあと、核武装し、対米独立への道を狙う可能性
現在の自民党・安倍政権は日本古来の精神を大切にしているとPRしていながらも米国のしもべのように振る舞っている。だが、極右政党がいつまでも対米従属かどうかは、不明だろう。今、北朝鮮が核開発することでアメリカに対する発言力を強めつつあることは日本の右翼も刺激しているはずである。それは日本も北朝鮮のように核武装すればよいのだ、ということに他ならない。核保有国になるということはそういうことである。国際社会でのステータスが増すし、迂闊に攻め込まれない現実的な防壁となりえる。
今後、日本が米軍に協力して集団的自衛権のもとで自衛隊をアジア地域の戦闘に参加させ、日本人の血を流すことで日本政府は覇権の分け前をアメリカに求めていくことになるだろう。それは東アジアで「(仮想)敵国」と対峙していくために日本も核武装する必要があると米国に求めることである。憲法9条のもとで平和を維持してきた日本が、戦争をする国に転じた瞬間にその実現可能性は現実のものとなる。米国の核の傘の下にいればいい、という議論は崩壊するのである。というのも、今回の北朝鮮関連の危機のように米国本土には核兵器が到達しなかったとしても日本全土が標的になる、という差異が生じる場合があることである。こうした場合に米国の核にだけ依存することはもはやできない、と日本政府は通告するだろう。
日本が核兵器大国になる可能性は高まっている。だからこそ、ノーベル平和賞が日本人が参加するICANに贈られたのではなかろうか。ICANの代表として日本の被爆者が受賞式典に参加するのは日本の危険な兆候への警告とも言えるだろう。だが、米国が日本の憲法改正を後押しして日本を再び戦争のできる国に作り替える以上、核武装は時間の問題となるだろう。中国やロシアや北朝鮮などの核保有国に対して、専守防衛を越える戦闘を日本が行う以上、核武装は恐らく避けられなくなるだろう。核兵器を持つ国と個別的自衛権以外の戦争をする、ということはそういうことである。筆者自身は核武装に反対だが、日本国民が選挙で核武装を選択する可能性が高いと思う。そしてその核がワシントンDCも射程に収める日が来るだろう。その時、初めて日米関係に新たなステ―ジが生まれる、と考える人は少なくないのではないか。作用は反作用を必ず伴うものだ。21世紀中に核戦争が実際に起きる可能性はある。今は共闘している右翼も、未来の自衛隊の戦闘の後、親米派と反米派で覇権争いが始まるかもしれない。これは太平洋戦争でもあった対立構図でもある。
武者小路龍児
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