2017年10月30日14時45分掲載  無料記事
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政治

立憲民主党党首・枝野幸男氏  国会討論での与野党の時間配分に関して安倍内閣の主張を批判

   11月に始まる国会(衆院予算委)での与野党の質問時間の配分に関して従来なら野党議員が8割の質問時間を得ていたことを安倍内閣が一新して政党の質問時間を議員数に比例して配分せよ、と主張しているらしい。ということは与党(自民党284議席+公明党29議席=313議席)で総数が465議席だから、質問時間全体の67%を与党議員の質問が占めることになる。さらに維新や政権に考えが近い希望の党をこれに足すと7割以上が安倍政権にフレンドリーな議員による質問と見ることもできるだろう。 
 
  国会の意義をほとんど無意味化しようとしている安倍政権に対して野党第一党の立憲民主党・枝野幸男党首が立憲主義の立場に基づいてツイッターでこう述べている。 
 
枝野幸男「予算案や法案は、与党内で十分に議論され、与党として賛成となった後に国会提出されます。野党は、国会提出の段階で初めて説明を受け国会で議論します。このため、質問時間の配分が野党中心となるのは当然です。与党の主張は、政府(大臣等)の説明、答弁として十分すぎるくらいに示されます。」 
 
  国会は国民のためにあるもので、政府の言い分をPRするための場ではない、ということなのだ。政府は黙っていても行政を動かす力を持っているが故に国会で国民の代表が厳しく精査することが求められているのである。 
 
枝野幸男 「議席数に従った質問時間の配分をという主張は、議院内閣制に対する無理解としか言いようがありません。法案等の提出前の事前審査で与党としての意見を反映させ、疑問点も解決しているから国会提出されるはずで、国会で与党にたくさん聞くことがあったら政府与党の不一致として問題です。」 
 
  枝野氏の主張は当たり前すぎる。それを主張しなくてはならないくらいに日本の民主主義は劣化が進行している。地元の自民党議員の事務所に政府見解について議員自身はどう考えるか、問い合わせてみるのもよいだろう。 
 
 
法谷正一 


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