2017年12月02日13時39分掲載
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中東
サウジ国内弾圧拡大 混乱極まる中東情勢
11月6日付のThe Washington Post 紙は、サウジアラビアの政治的動向が、イランを含めた中東情勢を不安定にさせるとの懸念を示した。
4日にサウジアラビアでモハメド・サルマン皇太子や関係者が腐敗対策として逮捕された同日、レバノンでは、サダ・ハリリ首相が辞任した。また、イエメンからサウジ首都のリヤドにミサイル攻撃があり、サウジはイランに対し、「戦争行為の恐れがある」と警告した。
同紙によると、モハメド・サルマン皇太子のビジョン2030にある経済・社会改革は、権力機構を分割し抑制と均衡によって統治するものというより、個人に権力が集中するものになっており、すべての権力を自分に集中させようとしたと推測されている。
サウジでは、女性の運転が認められ、宗教警察の権力抑制が進む一方、反体制派の逮捕、元皇太子モハメド・ナーイフの排除などの弾圧政策が進んでいる。
また、カタールとの国交断絶など、サウジの外交政策は中東における紛争を激化させていると同紙は指摘。カタールと断交したことで、バーレーンとエジプト以外の湾岸諸国の協力を得られず、サウジの地域覇権拡大の失敗と中東諸国の分断を深めていると同紙はみている。
〔ND米紙ウィークリーニュース第133号(November 27, 2017)〕
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