2018年01月01日23時36分掲載
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国際
米部隊襲撃 混沌増すニジェール
11月20日付のThe Washington Post紙は、ニジェールでの米軍とイスラム過激派組織との紛争が泥沼化していると報じた。
武装勢力は、国境付近の政府支援が行き届かない貧困地域で影響力を増しており、2016年以降、国境沿いの治安部隊に約50回の攻撃があり、今年4月に米軍とナイジェリア部隊が襲撃され、10月には「イスラム国(IS)」支部からガンダーム警察予備隊が攻撃を受け数十名が死傷したという。米軍は約800人が駐留し、ドローン偵察やニジェール軍を訓練する特殊任務を進行している。
同紙によると、ニジェールは国連開発計画(UNDP)による人間開発指数(UNDP)で188か国中187位の最貧国ランクに指定され、人口2000万人の半分が貧困ライン以下で暮らし、人口増加による経済の低迷が続いている。また、気候変動による農業不作や失業、治安を維持するための国家権力がないことなどで、部族・民族間の紛争が増しているという。
隣接する国々のうちマリ、ブリキナファソ、ナイジェリアでは過激派が横行している。武装勢力は食料やバイクを含む乗り物を与える代りに新兵募集と戦闘協力を求め、村人とのつながりを増している。さらに教育保健関連よりも国境警備・治安維持を優先させた国家予算により、貧困の解決にめどはたっていないという。
〔ND米紙ウィークリーニュース第134号(December 20, 2017)〕
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