2018年01月05日20時07分掲載
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トランプ大統領のロシアゲート事件とは何なのか? ”Collusion: How Russia Helped Trump Win the White House”(共謀 いかにロシアはトランプが大統領になるのを手助けしたか)
そもそも今、トランプ大統領の側近やら息子やらトランプ大統領自身やらが嫌疑をかけられているロシア絡みの不正とは何だったのだろうか。今さら聞けない・・・類のようでもあるが、記事を拾ってみると、英国のガーディアン紙にいろいろ記事が出ていた。中でもルーク・ハーディング(Luke Harding)が記した本”Collusion: How Russia Helped Trump Win the White House”(共謀 いかにロシアはトランプが大統領になるのを手助けしたか)はその手がかりになるかもしれない。
https://www.theguardian.com/books/2017/dec/14/collusion-how-russia-helped-trump-win-the-white-house-by-luke-harding-review
2016年に行われた米大統領選の際にトランプ大統領をロシア政府が手助けしていたのではないか、というのが嫌疑である。これは大統領候補者が外国人から選挙資金を得たり、何かの取引をしたりすることが国家安全保障や外交上の見地から禁じられていることによる。ルーク・ハーディングはロシアをずっとウォッチしてきた記者らしく、プーチンのことを長く報道してきた人物らしい。実業家だったトランプがロシアと取引をするようになったのはかれこれ30年に及ぶことのようであり、ということは冷戦末期に遡る。その頃、トランプはソ連政府と提携してモスクワに豪華ホテルを建てようとしていたのだそうだ。その裏にはニューヨークの国連本部にソ連政府から派遣された外交官がトランプに目をつけて接触していたのだという。初めてトランプがモスクワを訪ねたのが1987年で、その頃、トランプは将来大統領選に出馬することを語っていたのだという。
2016年の1月にトランプはモスクワで不動産開発を成功させたかったためにロシア政府に交渉を持ちかけていたのだという。さらに、これらのことにドイツ銀行も絡むらしい。未読なので全体がどうなのかはわからない。とはいえ、この本はトランプとロシアおよびロシア政府の関係、そしてトランプの金の動きを追っているようである。また記事によればロシア国籍やロシアに住所を持つ複数の人間たちがアメリカでトランプの開発する7つのタワーに9800万ドルもの投資をしたのだという。
この件の捜査がどこまで進展するか。そして、今年11月に行われる中間選挙で共和党がかなり負けこめば民主党議員による追及と弾劾でトランプが大統領の椅子から降りる可能性もありそうだ。その意味で片腕と目されてきたバノンがホワイトハウスを去って大統領に反旗を翻していることによるダメージは大きいだろう。
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