2018年01月12日14時57分掲載  無料記事
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環境

英国で粧品などのマイクロビーズを禁止

 マイクロプラスチックによる海洋汚染は世界で深刻な事態になっているが英国では1月、化粧品や歯磨き剤、石けんなどのパーソナルケア用品(衛生日用品)にマイクロビーズを使用した製品の製造を禁止する法律が発効した。7月からはマイクロビーズを含む製品の販売も禁止される。環境・食料・農村地域省は1月9日、「マイクロビーズを含む製品の製造禁止は、世界で最も厳しく画期的なステップ」とする声明を発表した。英国の規制では、5mm以下のプラスチック粒子をマイクロビーズとして定義している。(有機農業ニュースクリップ) 
 
 声明はまた、「有害なマイクロビーズは海洋生物に深刻な害を及ぼす。この禁止は、海洋に浮遊する、毎年数十億のビーズを止めることに役に立つ。プラスチック汚染防止の国際的な取り組みの最前線に英国を置くことになる」としている。 
 
 環境担当大臣テレーズ・コフィーは、「入手可能な自然選択肢が多くあり、マイクロビーズは必要ありません。化粧品メーカーが、この有害なプラスチックを洗顔料に加えることができなくなることは喜ばしい」とし、「他の形態のプラスチック廃棄物への取り組みを模索します」とコメントした。 
 
 ガーディアン紙(英国)によれば、海洋を浮遊しているプラスチックが5兆個に達しているという。 
 
 ・DEFRA, 2018-1-9 
  World-leading microbeads ban takes effect 
  https://www.gov.uk/government/news/world-leading-microbeads-ban-takes-effect 
 
 ・DEFRA, 2017-9 
  DRAFT:ENVIRONMENTAL PROTECTION, ENGLAND 
  The Environmental Protection (Microbeads) Regulations 2017 
  https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/643381/microbeads-draft-si-2017.pdf 
 
 ・Guardian, 2018-1-9 
  Plastic microbeads ban enters force in 
  https://www.theguardian.com/environment/2018/jan/09/plastic-microbeads-ban-enters-force-in-uk 
 
 
 日本メーカーでは、花王が2016年末までに全ての製品でマイクロビーズの使用をやめたと明らかにしている。花王は洗顔料などに使用しているスクラブ剤は、天然由来の成分(セルロース、コーンスターチ)を使用して花王が開発したものだとしている。歯磨き剤も天然由来の成分を使用しているという。 
 
 ・花王 
  マイクロプラスチックビーズへの対応 
  http://www.kao.com/jp/corporate/sustainability/environment/statement-policy/eco-friendly-products/plastic-microbeads/ 
 
 
 マイクロプラスチックによる海洋汚染は、日本周辺の海や琵琶湖でも確認されている。京都大の研究チームによれば、東京湾や大阪湾、琵琶湖など本州各地で採取した魚の約4割からマイクロプラスチックが検出されたとしている。 
 
 ・朝日, 2017-10-26 
  魚の4割からマイクロプラスチック検出 本州各地で採取 
  https://www.asahi.com/articles/ASKBS663GKBSPLBJ007.html 
 
 
 海洋汚染のみならず、世界的な水道水の汚染も明らかになってきている。米国の研究チームは昨年9月、米国、欧州、インド、インドネシア、レバノン、エクアドル、ウガンダ各国の水道水に含まれるマイクロプラスチックを調査。米国の94%を筆頭に7割以上で見つかったと発表した。平均83%から見つかっているという。見つかったマイクロプラスチックの多くは、長さが0.1〜5ミリのプラスチック繊維で、水道水1リットルに最大57個含まれ、平均すると1リットル当たり4.34個だったとしている。 
 
 ・AFP, 2017-9-7 
  マイクロプラスチック、水道水に含有か 研究者ら警告 
  http://www.afpbb.com/articles/-/3142010?pid=19343083 
 
 プラスチック製品の使用を完全にやめることは不可能に近い。しかし規制以前に、身近なところから減らしていくことはできるはずだ。例えば、携帯用のポットを持参することで、ペットボトルの水や清涼飲料水を買わないことはすぐにでもできることの一つだ。スーパーなどのレジ袋の有料化も進んでいるが、もらわないことや、あるものを使いまわすことで使用量を減らすこともできる。出来れば布製の買物袋を使うことの方がよりよい。少しでも減らす努力が必要だ。 


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