2018年01月20日14時46分掲載
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文化
マクロン大統領の表現「フランスとフランコフォニーの諸国」に疑義を呈した作家アラン・マバンクゥ氏
コンゴ共和国出身でフランス語圏で活躍する作家であるだけでなく、カリフォルニアの大学で文学の教鞭を取っているアラン・マバンクゥ(Alain MABANCKOU)氏がフランスのエマニュエル・マクロン大統領のフランコフォンに関する発言に異議を呈した。マクロン大統領がドイツで「ドイツはフランスとフランコフォニーの諸国を迎えてきました・・・」と発言したことが1つのきっかけだったようだ。
フランコフォンとはフランス語を共有する人々であり、フランコフォニーはそれらの人々の共同体と言える。だから、マクロン大統領が「フランスとフランコフォニーの諸国」と語ったことで、フランスをフランコフォニーから除外しているのではないか、と疑義を呈したのだった。だとすると、フランコフォニーとはかつてのフランスの植民地だった諸国の寄せ集めにように思われる、と。フランコフォンとは家族のようなもので、フランスも除外すべきではない、とマバンクゥ氏は言う。そのことはフランス語で書かれたいわゆるフランコフォン文学をフランスにおいてももっと享受して欲しい、という思いもあるのだろう。そのことは裏返せばフランスの文学をナショナリズムから解き放ち、フランコフォン文学に広げて欲しい、ということでもあるだろう。
■Alain MABANCKOU a Francfort (L'inviteという番組)
https://www.youtube.com/watch?v=apjSA513Mts
ドイツのフランクフルトで行われたこのインタビューの中でマバンクゥ氏はフランコフォニーのことも話しているが、同時にマバンクゥ氏の小説"Petit Piment "(唐辛子)の話も出ている。この小説はマバンクゥ氏が育ったコンゴ共和国のポワント・ノワールという大西洋に近い町の「唐辛子」というあだ名の孤児の少年を主人公にしている。
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