2018年01月24日15時25分掲載
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農と食
野菜の高騰と食システム
乾燥した日が続いたと思ったら大雪に強風と天候異変が続く中で、野菜の高騰がとまらない。農村部を控えた地方都市でも、スーパーをのぞくと白菜四分のひと切れで170円という値段がついていた。それではと農協の直売所をのぞくと、小ぶりだったり色が悪かったり傷があったりと、さすがに農協らしく、一生懸命集めた気配が感じられ、スーパーよりは安く売っているが、普段よりはやはり高い。テレビをつけると、取材を受けた安売り八百屋のおじさんが、当分安くはならないね、と断言する声が伝わってきた。(大野和興)
野菜高騰の原因は、このところ続く天候異変にあるというのが定説だが、どうもそれだけではないという気がしてならない。需要、供給双方に、構造的な異変が起きているのではないか。
供給サイドでいえるのは、生産力の減退だ。ごく少数の品目を大量に作る産地では、もう大分前から外国人労働者に頼らざるを得なくなっている。建設業やサービス業で人手不足が深刻化するなかかで、外国人労働者も農業には回らなくなった。大量生産ー大量販売ー大量消費というシステムが機能不全に陥ったのである。
加えて産直や直売、町の飲食店や八百屋さんなどの小さな消費を支えていた小さな生産も、高齢化のいっそうの進展で生産からの撤退が急速に進んでいる。村の空家や耕作放棄地の激増がそのことの深刻さをあらわしている。つまるところ、食の再生産の仕組みそのものが壊れる寸前まできているのだ。
需要の側はどうか。いまスーパーの野菜売り場では、カット野菜の棚が大きくなっている。それだけ消費が増えているのだ。日本の野菜生産はロボットが活躍する野菜工場が担う時代に入りつつある。
さてどうするか。この先は消費者の価値観の問題という気もする。
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