2018年02月04日15時02分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201802041502120
アフリカ
【西サハラ最新情報】 第30回AUアフリカ連合サミット 平田伊都子
AUアフリカ連合に国際社会が跪くようになりました! かってアフリカ黒人を奴隷支配していた白人たちが、競ってAUにおべんちゃらを言い、ご機嫌を伺うようになりました。 こんな痛快な時代がこようとは、誰も予測できなかったようです、、が、 ただ一人、白人に惨殺されたリビアの故カダフィーは「黒人が世界を支配する時代がくる」と、予言していました。 AUアフリカ連合を立ち上げたのも、カダフィです。
(1)国連事務総長のAU(アフリカ連合)サミット参加:
2018年1月29日、国連デイリー・ヌーン・プレス・ブリーフィングで、国連事務総長アントニオ・グテーレス(ポルトガル人)の第30回AU(アフリカ連合)首脳会議参加の報告を、ステファン報道官(フランス人)が行った。報道官は、「AU首脳会議は28日と29日にエチオピアの首都アジスアベバにあるAU本部で開催された。28日、事務総長はまず、AU委員会議長ムーサ・ファキ・マハマトとの二者会談に臨んだ、、 会談後に彼は、AU(アフリカ連合)との連携はUNの基本原則だし、アフリカ問題に取り組むAUをUNは全面的に支援すると、確約した、、 午後には、<アフリカの飢餓を2025年までに撲滅>会合に出席し、首脳会議開催式に参加した。事務総長は合間を縫って、エチオピア、アンゴラ、リビア、ケニヤ、ウガンダ、ルワンダ、南スーダンの首脳や閣僚に会った、、 1月29日、エチオピア出発前に事務総長は、ギネア、ソマリア、ライベリア、中央アフリカ、南アフリカの指導者たちに会った」と、報告した。
(2)AU(アフリカ連合)の西サハラ紛争解決宣言:
2018年1月30日、エチオピア首都アジスアベバのAU(アフリカ連合)本部で、AU(アフリカ連合)2018年度議長にルワンダ大統領ポール・カガメが選ばれた。AU委員会委員長ムーサ・ファキ・マハマトが、「この第30回大会は、特に、RASD(サハラ・アラブ民主共和国)とモロッコ王国という両AU加盟国が一日も早く交渉の席に着くことを、強く促す」と、第30回AU首脳会議締めくくりの宣言を発表した。宣言によると、「直接交渉は、先入観なしにAUとUNの支援の下で行われ、アフリカ連帯精神とAU憲章に基づき、西サハラ紛争解決を目指すものでなければならない」と、ある。
.
(3)AU西サハラ宣言へのモロッコと西サハラの反応:
1月29日のAU(アフリカ)連合)首脳会議宣言に、モロッコも西サハラも素早く声明を出した。
MWN(モロッコ世界ニュース)は、「AU(アフリカ連合)委員会委員長ムーサ・ファキ・マハマトが、西サハラ紛争に関してAU加盟諸国は2017年7月のAU決議を遵守しなければならないと、最終声明で明言した。AU加盟諸国はUNとAUの決議を尊重し、40年以上にわたる西サハラ紛争の解決を目指す努力をしなければならないと、委員長は指示し、国連事務総長西サハラ個人特使ホルスト・ケーラー(ドイツ人)の新人事を推薦した、、が、声明はAUが西サハラ紛争に対してどんな役割をするのか、明らかにしていない」と、MAP(モロッコ国営通信)の批判記事を転載した。
一方、SPS(西サハラ難民キャンプ通信社))は、もろ手を挙げて第30回AU(アフリカ連合)西サハラ宣言を歓迎した。SPSは、「アフリカの指導者たちが下した歴史的な西サハラ宣言は、アフリカ連合の目標と精神を完遂させる大きな一歩になった。アフリカ連合の新加入国であるモロッコは、アフリカ連合の方針に従わなければならない。否、モロッコこそがアフリカ大陸の平和と治安に貢献できる。その手始めに、国際社会が認めている西サハラとモロッコの国境線を承認することだ」と、意気は高い高い!!第55番目のアフリカ連合参加国として、モロッコはRASD(サハラ・アラブ民主共和国)を国家承認することになるのだろうか?
カダフィーが生きている頃、よく会いにリビアに行きました。 その度にトリポリにある壊れかけたアパートの一角にある西サハラ大使館を訪ねました。 西サハラの旗が窓からのぞいていなかったら、とても見つけることができない貧しい地区にあり、マライニン大使を始め大使館員はひっそりとカダフィーの機嫌をそこねないように生きていました。
カダフィーが殺されリビアは崩壊し、美しかったリビア沿岸は移民の溺死体が散乱するようになりました。 2月2日、IOM(国再移住機関)が、90人以上を乗せたパキスタン移民とリビア人の密航船が転覆し、その大部分が溺死したと伝えました。 これまで地中海を渡ろうとする移民の大部分は、アフリカ黒人だとされてきましたが、、我々の同胞であるアジア人だとは!! 他人事ではありません。
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2018年2月4日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。