2018年02月19日10時49分掲載
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アフリカ
【西サハラ最新情報】 モロッコのテロリストでっち上げ 平田伊都子
自国にISテロリストグループを抱え、中東にモロッコ人戦闘員を送り込み、ヨーロッパではIS細胞を作りモロッコ移民二世に数々のテロを起こさせているのは、紛れもなくモロッコ王国です。 その大罪を償うことなど全くせず、責任を取るどころか、「西サハラ難民がISと繋がるテロリストで、西サハラ難民政府ポリサリオがISの下請けをやっている」というでっちあげを始めました。 その狡賢いモロッコの画策を暴露していきます。
(1)「アフリカに6,000人のISテロリスト戦闘員が帰ってくる」:
2018年2月12日、クウェートで開催された<反ISイスラム過激派連合会議>でモロッコ外務大臣ナセル・ブリタが、「イラクやシリアやリビアでISイスラム過激組織に入り戦っていた約6,000人のテロリスト戦闘員たちが、続々と出身地アフリカに戻ってきつつある。テロリストと戦える国は、モロッコの他にない。モロッコのテロ対策は国連でも評価されている。モロッコの同胞であるアラブ諸国は、モロッコを援助して欲しい」と、アフリカ大陸がISイスラム過激派組織のテロリストで汚染されていることを強調し、モロッコへの資金援助を促した。
かくして、モロッコ外務大臣の先導で、「ポリサリオ西サハラ難民軍はISイスラム過激派組織」の巧妙なキャンペーンが始まった。
(1)西サハラ学生逮捕者裁判3月13日に再延期:
2月14日、モロッコのラバト裁判所で、デモで逮捕した西サハラの学生16人に対して判決が下る予定だった。西サハラの学生たちは全員が民族衣装ダラーを翻し法廷に入った。が、モロッコ軍事裁判当局は3月13日に裁判を延期したことを伝えた。モロッコ当局は2017年に逮捕した学生たちから、「僕はISイスラム過激派組織と繋がるポリサリオ西サハラ難民軍の兵士」という供述書を作りたかったようだが、失敗した。
モロッコ当局は一か月先の裁判までに、学生たちを拷問で自白をさせようと企んでいる。
友人のウシュドーフは2010年のグデイム・イジク・平和デモで逮捕され、30人の仲間もろともモロッコの悪魔監獄にほり込まれた。獄では毎日のように「僕はISイスラム過激派組織のテロリストである」という自白を強要され、拷問された。ウシュドウーフは拷問で仮死状態になり、獄の外に捨てられた。通行人に発見され、ウシュドウーフは奇跡的に生還した。モロッコ占領地・西サハラでは「西サハラ政治囚の釈放」を求め、モロッコ軍事裁判の不公正さを糾弾する平和デモが、頻繁に行われている。モロッコ当局は、モロッコ占領地やモロッコ国内のデモで西サハラの学生を狙い、逮捕し、拷問で自白させ、ISイスラム過激派組織テロリストの西サハラ人作りに精を出している。
(3)「ポリサリオ難民軍のメンバーがモロッコで逮捕されたIS細胞3か所のリーダー」:
上記の見出しで、モロッコのメデイアがセンセーショナルな報道をした。
2月15日、モロッコの新聞・アッサバーハは司法諜報中央局(モロッコ・テロ対策本部)の発表として、「マラケシュとサレとラユーンで3人のISイスラム過激派組織テロリストを逮捕した」と、伝えた。マラケシュとサレはモロッコ国内に、ラユーンはモロッコ占領地・西サハラにある町だ。さらに同社は、「匿名の捜査員によると、3人のアジトから、西サハラの国旗やポリサリオ戦線の軍服が見つかり、彼らとアルジェリアにあるティンドゥーフ難民キャンプとの交信記録もでてきたそうだ」と、書いた。モロッコ当局は証拠品を準備し、西サハラの若者3人を逮捕し、モロッコ監獄に収監し自白を迫る拷問を始めた。「西サハラ難民はテロリストでポリサリオ難民軍はISイスラム過激派組織」というイメージの捏造を着々と進めている。評論家の口を借りてモロッコは、難民キャンプを提供しているアルジェリアまでテロリスト国家にでっち上げようとしている。モロッコの評論家たちは、アルジェリアはAQUIM(北アフリカのアルカイダ)をアルジェリア南部に抱えていて、なおかつ<アルジェリアの春>の到来に怯えているとの噂も流し始めた。
モロッコは<西サハラISイスラム過激派組織>のキャンペーンで、西サハラ領土問題を始め、モロッコISイスラム過激派組織テロリスト問題も、モロッコ麻薬問題も、モロッコ密輸問題も、全てチャラにできると考えているようだ。
2月14日、MWNが「モロッコは2月16日に、国連事務総長西サハラ個人特使ホルスト・ケーラーをモロッコに招待した」と発表しました。ケーラー特使はベルリンで、14日にはモーリタニア外務大臣一行と15日にはアルジェリア外務大臣一行と会談をしています。 が、16日には「モロッコの招待?ない話」と、とぼけています。 気紛れ国王殿下の関心は、<テロリスト・フェイクストリー>に移ったようです。
「そんな見え見えのフェイクストーリーが通用するの?」と、疑いたくなります。 が、金をかけてしつこく宣伝すれば、フェイクストーリーは真実の物語に豹変します。
結局、モロッコの捏造する嘘は、庶民の潜在意識の中に埋め込まれてしまうのです。
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2017年12月19日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
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