2018年02月19日18時40分掲載  無料記事
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核・原子力

「原発ゼロ・自然エネルギー推進基本法案」を国会で審議へ   原自連事務局次長 木村結

  原自連(原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟)は1月10日に「全ての原子力発電の廃止及び自然エネルギーへの全面転換の促進に関する基本法案」(骨子案)を発表しました。報道したのはメディアが150社、TVカメラが16台という関心の高さでNHKなど多くのメディアが報道しました。しかし、読売新聞は取材には来たものの報道は皆無。新潟日報はその後も小泉さんへの単独インタビューをして、2月1日の1面トップと3面で大きく報道しました。テレビ朝日は土曜日の夕方の報道番組で特別インタビューを流し、その後もBSで全インタビューを流すなど、原発ゼロ法案への関心の高さを示しています。以下に法案の基本方針のみ書き出します。 
 
(全文は以下のリンクをご覧ください)http://genjiren.com/basiclaw.html 
 
■ 基本方針 
 
一 運転されている原子力発電所は直ちに停止する。 
二 運転を停止している原子力発電所は、今後一切稼働させない。 
三 運転を停止した原子力発電所の具体的な廃炉計画を策定する。 
四 原子力発電所の新増設は認めない。 
五 使用済み核燃料の中間貯蔵及び最終処分に関し、確実かつ安全な抜本的計画を国の責任において策定し、官民あげて実施する。 
六 核燃料サイクル事業から撤退し、再処理工場等の施設は廃止する。 
七 我が国は、原子力発電事業の輸出を中止し、人類の平和と安全のため、かつての戦争被爆及び原子力発電所重大事故の当事国として、地球上の原子力発電全廃の必要性を世界に向けて発信する。 
八 急速に進んでいる省エネルギーをさらに徹底させる。 
九 太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス等の自然エネルギーを最大限かつ可及的速やかに導入する。自然エネルギーの電力比率目標は、平成42年(2030年)までに50%以上、平成62年(2050年)までに100%とする。 
十 地域経済の再生のため、各地域におけるエネルギーの地産地消による分散型エネルギー社会の形成を推進する。 
 
   産経新聞は14日に社説で「亡国基本法案」だと論評しました。「ドイツはフランスから原発電気を買っている」「自然エネルギーの電気代は高い」「日本はエネルギーに乏しい国」など使い古しのデマを流しています。それには直ぐに原自連の吉原会長名で反論を行いました。(原自連メルマガ参照)http://genjiren.com/mailmagazine.html 
  この反論を産経に通告の上、送りましましたが、期限を過ぎても返答がありません。電話すると「回答を拒否したと思っていただいて構わない」との返事でした。社会の公器とは呼べない情報紙であることを再認識しました。 
 
  立憲民主党もその後基本法案を発表し、全国各地でTM(タウンミーティング)を開催しています。私は福島でのTMにパネラーとして参加しましたが、立憲民主党の案は「原発は○○年までにゼロ」という即時ゼロではなく、段階的に廃止としています。立憲民主党は「即時ゼロは、電力会社の財産権を阻害する」ことを理由にしています。しかし、資産として計上されている原発と核燃料は、40年など期限を長くとって償却する保証をすれば良く、ドイツのように国が損害を補填する方法もあります。企業の財産権より国民の生存権の方が優先されるべきでしょう。また、「非常時のために原発を残す」ともしていますが、既に福島原発事故以降、ほぼゼロであり、原発が我が国の電源構成に占める割合は1%程度に過ぎず、石油が輸入できなくとも備蓄で足ります。原発を推進するという政策をやめれば、自然エネルギーは爆発的に普及拡大しますのでバックアップのために原発を残すなど論外です。 
 
 原自連では、基本法案発表直後から立憲民主党、希望の党、共産党、社民党の議員や事務方と意見交換会を行いました。共産党は全く異論はないとのことでしたが、他の党は「即時ゼロ」への抵抗があるようです。これは基本理念を法案に整える際に法制局に相談するのですが、法制局が強硬に「即時ゼロ」に反対するのです。原自連でも法制局に相談した際、財産権云々と強く抵抗されたのですが私たちは抵抗をもろともせず立案した経緯があります。前出の福島のTMでも、法制局の圧力に負けず、強いリーダーシップで立法して欲しいと私は発言しました。 
 
  2012年には脱原発法制定全国ネットワークで議員を立てて法案を上程してもらいましたが、棚上げされ審議には至りませんでした。上程されても今の国会の力関係では成立は極めて困難です。しかし、国会で脱原発が審議されることが大事なのです。14日には希望の党の小熊議員が予算委員会で原自連のリーフレットのグラフをパネルにして質問を行いました。原自連では各党に活発な審議をしてもらうために質問事項をリストアップし届ける予定です。 
 
 皆様も、テレビ局などに国会審議を時間をかけて報道するよう電話やメールで要請してください。特にNHKには国会審議を全て中継し、ニュースでも流すように。ニュースの視聴率はNHKがダントツに高く影響力があります。 
 
 
原自連事務局次長 木村結 


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